要因3「特定一階段等防火対象物」
さらに、建物内部にも“異例”があるといいます。
火災が起こったビルは「特定一階段等防火対象物」と呼ばれる建物です。これは3階以上に不特定多数の人が利用する飲食店などの施設があり、屋内に階段が1つしかない建物を指します。つまり、火災の際、避難経路が1つしかないリスクの高いビルです。
このような建物について田中さんは「逃げ口は屋内階段しかない。その屋内階段が煙・炎に包まれてしまうと、このビルに缶詰状態になってしまう」と話します。
亡くなった2人の消防隊員は、東側の7階建てビル5階の天井材が崩落した後、逃げ場を失った可能性があると見られています。
田中さんは、消防隊員の逃げ遅れの確認や、消火活動のためのビルへの進入は適切な判断だったとしたものの、今回の火災の教訓を今後に生かすべきだと言います。
「大阪市消防局のこの活動は、非常に崇高な使命の元に、逃げ遅れた方がいるであろうということを前提に、行動を起こした。今後さらに安全対策と防火管理対策、建物の対策を進めていっていただければありがたい」