8月10日からの記録的な大雨の被害は、その全容がなかなか見えません。次の雨への備えもできないまま、現場では今日21日も復旧作業が続いています。

畳表の材料となるイグサ。熊本県八代市の生産量は全国1位を誇り、県産のイグサの大部分が八代平野で生産されています。

その被害は甚大です。

20年以上、イグサを生産してきた宮下優作さんも、畑や作業小屋が被害を受け、乾燥させて保管していたイグサも水没しました。

宮下優作さん「水が60cmくらい来ていて、結構廃棄にしました」

さらに深刻なのが、農業機械の被害です。

宮下さん「イグサ農家は特殊な機械が多く、それが水に浸かってしまった。まだ片付けの段階なので使えるかどうか動かしてみないと分からない状況です」

イグサ農家には、生産から加工までを一貫して行う人も多く、その過程では、様々な機械が必要となります。

宮下さんも収穫したイグサを織る機械や乾燥機などを所有していますが、今回の大雨では大型の機械10台以上が水に浸かりました。修理が必要となれば、1台100万円以上かかるものもあるといいます。

生産者が高齢化するなか、追い打ちとなった今回の大雨。宮下さんは、国産イグサを絶やさないための継続した支援を求めています。

宮下さん「農家の数が減ると、関係する織機屋や糸屋が持たなくなって結局続けていけなくなる。これがきっかけでやめる人がでないように願っています」