「こんな結末なら」紙芝居に込められた本音

紙芝居の読み聞かせ
「裏山が崩れ、家の1階にたくさんの土砂が流れ込んでいました」

母親たちで作るボランティアグループが2020年に制作した紙芝居です。平野さんは、脚本の原案を手がけました。

大雨で大切なランドセルを失った主人公のなっちゃん。それでも家族に避難を呼びかけ、全員が助かったという物語です。

紙芝居の読み聞かせ
「命を守ることが一番じゃのう。なっちゃんが大きくなってもみんなに伝えてくれよ。ランドセルはまた新しいのをこうてあげるけえね」

参加した母親
「ジーンと胸が熱くなった。今までの幸せが崩れてしまうのは怖い」

参加した母親
「地域のつながりが大事。言葉や行動で伝えていかないと」

大雨のことは、怖がらずに知ってほしいけれど、「本当の結末もこうであってほしかった」。平野さんが伝えたかったメッセージでもあります。

平野朋美さん
「亡くなった命はかえってこない。今後の防災について考え直してもらうきっかけになれば」

あの日から11年。残された次男と災害後に生まれた長女、家族4人でいまを歩み続けています。