関連死を含めて77人が亡くなった広島土砂災害の発生から11年を迎えました。未曽有の被害を伝えるなかで「線状降水帯」という言葉が、広く知られるようになります。

2人の息子を失った母親が、後悔の気持ちを乗り越え子どもたちに伝えたいことにせまります。

平野朋美さん(48)。11年前の8月20日、自宅で2人の息子を亡くしました。

当時11歳の遥大くんと、2歳の都翔ちゃん。自宅の1階で裏山から崩れた土砂に飲み込まれました。午前3時すぎ、近くの親族の家に避難しようとした矢先でした。

息子2人を亡くした 平野朋美さん
「電気が落ちて真っ暗になって、土砂がすぐそこまで来た。一瞬だった。名前を呼び続けることしかできなくて、どこかで助かっていないか。呼吸ができているでは。そればかり思っていた」

2階や、より安全なところに避難していれば息子たちは助かったかもしれない。いまも、後悔の念を抱いています。

平野朋美さん
「(大雨の)知識が浅かった自分に腹立たしい。あの子たちを守れたのは、私たち親だけ。それができなかった。悔しさ、後悔。それだけです」