「お腹が出てる選手は野球選手じゃないですか?」

イチローさんとの距離が少しずつ縮まってくると、イチローさんの元には次々と部員が。少し体格の良い、1年生・鈴木勇司選手はこんな質問を・・・。
鈴木選手:イチローさんが、インタビューで“お腹が出てる選手は野球選手じゃない”って・・・。
イチローさんの返答はー。
イチローさん:いやいや、僕はお腹が出たら引退する、って言ってたの。
鈴木選手も思わず笑顔。そしてイチローさんが続けます。
イチローさん:いやいや、良いんだよ。(体形は)特徴なんだから、それぞれの特徴をいかして。
「アドバンテージにして、頑張っていきたい」
イチローさんによる指導は日が暮れるまで続きました。練習の最後は、出塁した時のリードの取り方について、自ら実戦しながらの指導。
イチローさん:(リードを取る時に)跳ねる必要は全くない。大事なのは、最後のこの体勢をつくることだから。きょうやって、明日できることじゃない。練習の中で意識して一度やってみて下さい。
夢のような時間となったイチロー教室にキャプテンの上田太陽選手(2年)は-。

上田選手:イチローさんに話を聞けるチームなんてなかなかないので、そこをアドバンテージにして、頑張っていきたい。
出場が確実視される来春のセンバツを見据えていました。
イチローさんは年内にあと2校を訪問、直接指導を行う予定です。
■アマチュア指導
イチローさんは2019年12月に学生野球資格回復研修を受け、昨年2月からマリナーズでの活動がないオフシーズンに限り、高校生や大学生への指導が可能となっている。
■イチローさんのアマチュア初指導
昨年12月、強豪・智弁和歌山高校を3日間指導。指導の最後に同校野球部員に「ちゃんとやってよ」との言葉を残すと、今年の夏の全国高校野球選手権・決勝で、智弁和歌山は智弁学園を9-2で下し、21年ぶり3度目の全国制覇を果たした。
■国学院久我山
秋季高校野球東京大会・決勝の二松学舎大付戦。1-3と2点を追う9回2死満塁から4番・成田陸選手(2年)が、走者一掃の逆転サヨナラタイムリーを放ち、37年ぶり3度目の優勝。2011年以来、4度目のセンバツ出場をほぼ確実としている。