1年間の練習を経て、本番当日。総文祭の演劇部門には伊集院高校を含め、全国の12校が出場しました。

3年生の宮原咲希さんが演じるのは、復帰運動の中心になった青年団の保俊惠役。俊惠と同じ青年団員の泊満役は、2年生の小梁川颯さんが務めました。

『われわれを日本に戻してください、戻ちたぼれ』

「祖国日本」への復帰を求めて若者たちは声を上げました。しかし、満はアメリカ軍政府から追われる身となり、俊恵が本土へ逃げるよう促します。

『満さん、逃げて。龍郷湾から密航して本土に逃げて。捕まったら刑務所に何年も入れられる』

『だけど、きみが』『大丈夫』

『行きゅんにゃかな(行ってしまうのですか、愛しい人よ)』

断食や署名、集会運動の末、奄美群島は1953年12月、日本に復帰。満は本土から奄美へ戻り、俊惠と再会を果たします。

『みんな待ってる。元さんも』

審査の結果、伊集院高校は優良賞を受賞。目標としていた最優秀賞には届きませんでした。

(伊集院高校3年・宮原咲希さん)「舞台で多くの人たちに私たちの思いが伝わった。悔いはない」