■「一人一人の隊員を守ってほしい」五ノ井さんの自衛隊への思い



久しぶりに宮城に帰省した五ノ井さんは、なじみの美容院を訪ねた。


五ノ井さん
「その節はありがとうございました。無事謝罪をもらいましたので」

美容院を経営する男性
「良かったねえ」

五ノ井さん
「本当にありがとうございます」

男性の妻
「まだまだ大変だと思うけど、痩せたよね」

五ノ井さん
「よく言われます」

男性の妻
「大変だったもんねえ。でも里奈ちゃんなら大丈夫だよ」

11年前、五ノ井さんの故郷、東松島市は津波の被害を受け自宅も浸水した。


当時小学5年生だった五ノ井さんはコミュニティセンターで避難生活を送った。


五ノ井さん
「廊下で過ごしてました。3か月以上は過ごしていましたね、段ボールを敷いて」
「あとは入り口で炊き出しを自衛官の方がしてくださった」

自衛隊は避難者のために各地で入浴支援を行った。五ノ井さんはそこで働いていた、ある女性自衛官の姿に憧れた。



五ノ井さん
「女性自衛官の方が何度もお湯をバケツに汲んで、入れてくれたっていう姿を見てやっぱり、かっこいいなと思いましたし、私もこういうところで働きたいとか、人のために生きたいなって思うようになりました」

五ノ井さんはその女性自衛官と交流を続け、中学・高校を経て、自衛隊に入っても関係は続いた。入隊後、柔道でけがをして入院した時には「応援しているよ」と手紙をくれた。


五ノ井さん
「『私が里奈の一番の応援者でいる』って、嬉しかったですね、本当に」


その女性自衛官にはセクハラ被害についても相談した。 勇気を出して声を上げた五ノ井さんを応援してくれたという。

五ノ井さん
「本当に自衛隊が嫌いで悪く言いたいとかじゃなくて、本当にいい環境になってほしいと思いますし、本当に素晴らしい職業なので、国を守ることもそうなんですけど、まず1人1人の隊員をしっかり守ってほしいなと思いますし、同じように声を上げた人がしっかり守られるような環境になってほしい」