観戦がもっと面白くなる!初田アナがオススメする棒高跳のポイント
デュプランティスの活躍から目が離せない棒高跳だが、初田アナは「ここを見るともっと面白い」と観戦のポイントを教えてくれた。
◆「ポールの使い分け」
トップ選手は競技に10本ほどのポールを持ち込む。ポールの長さや硬さはそれぞれ異なり、跳ぶ高さによって使い分けている。比較的低い高さを跳ぶ時と6mを超える高さを跳ぶ時では使うポールが違うのだ。このポールの選択も戦略の重要な要素となる。デュプランティスがスウェーデンカラーの黄色いポールをどのように使い分けるかぜひ注目してほしい。
◆「支柱の位置」
棒高跳は助走をつけ、ボックスと呼ばれる穴にポールをさし、その反発力を利用してバーを跳び越える競技。バーを支える2本の支柱は位置を調整でき、ボックスの先端から最大80cmまで動かすことが可能だ。選手は風向きや助走、そしてバーの高さを考慮して最適な位置を申告する。かつては補助員が手動で調整していた時代もあったが、今は自動で調整される。選手がどの位置に支柱を置くかにも注目するとより競技の奥深さが感じられそうだ。
東京で歴史は塗り替えられるか
デュプランティスは野球が好きで、特にメジャーリーグ・ドジャースの大谷翔平(31)の大ファンだという。大谷が海を渡る3年も前に、名前入りの侍ジャパンのユニフォームを買っていたことも明かしている。
デュプランティス:
翔平は世界で最も優れた野球選手だと思うし、僕は野球が大好きなんだ。素晴らしい選手なのでアスリートとして大谷にすごく感化されているし、彼は本当にすごいよ。
デュプランティスは「世界陸上東京大会で優勝したい。日本の観客の前でまた良い記録を出したい」と東京大会への熱い思いを口にする。もしかするとデュプランティスの3連覇と6m30の世界記録更新が、9月、東京で見られるかもしれない。
■アーマンド・デュプランティス(25、スウェーデン)
※世界記録保持者(6m29)、ワイルドカード
1999年11月10日生まれ、元棒高跳の選手だった父が作った自宅裏庭の練習場で競技を開始。2015年のU18世界陸上、2018年のU20世界陸上で金メダル。世界陸上は2019年ドーハで銀メダル。その後、2022年オレゴン、2023年ブダペストで連覇。五輪は2021年東京、2024年パリで金メダルを獲得。2024年には大谷翔平やテニスのN.ジョコビッチ、サッカーのレアル・マドリード所属のV.ジュニオールなど錚々たる面々を抑えて、国際スポーツプレス協会(AIPS)が選出するスポーツ界の年間最優秀選手に輝いた。