なぜ、父は名古屋空襲の写真だけを保管?

「NAGOYA」と書かれ、日付は1945年3月12日。名古屋への空襲を、上空からレーダーを通して撮影されたものです。

父はなぜ、名古屋空襲の写真だけを保管し続けていたのか?その疑問から、ボブさんは長い歳月をかけて父の飛行記録などを調べ、一本の映画を完成させました。

真っ赤な画面で戦争を語るのは、ボブさん自身が演じる父ロバートさん。自ら父親を尋問する形で、戦争責任を追及していくストーリーです。

タイトルは「しがみつき、燃え続ける”名古屋消去”プロジェクト」。

名古屋で映画を上映するために来日したボブさんは、空襲の体験者に会いました。今は愛知県春日井市に住む、森下規矩夫さん87歳。

2人が落ち合った名古屋市東区のバンテリンドームは戦時中、航空機のエンジンを作る三菱重工の大工場があり、爆撃の最重点目標とされた場所。ここでも多くの犠牲者がでました。

(名古屋空襲を体験 森下規矩夫さん)
「当時の三菱重工は戦闘機のエンジンを生産していました。私の父がここで働いていました。私の家はこの辺りにありました」

(ボブさん)
「はじめは軍需工場を狙って爆撃していましたが、のちに全てを破壊するようになったんですね」