8月最終週「参院選の総括」が最初のヤマ場

8月最終週には参院選の敗因などがまとまり報告書がだされる。これをもって森山幹事長は「幹事長として自らの責任について明らかにしたい」と述べていて辞任の可能性を示唆している。森山幹事長だけではなく、選挙の責任者である木原選対委員長、選挙公約をまとめた小野寺政調会長なども辞任するものとみられ、早晩、石破総理は党役員人事に取りかからねばならないが、後任人事に行き詰まる可能性がある。これまで内閣の屋台骨だった森山幹事長が辞任すれば、前倒しの総裁選が行われるにせよそれを待つことなく石破内閣が瓦解する恐れがあり、8月最終週が総理にとってまずはヤマ場となる。

その後、前倒しで総裁選が行われるかどうかが最大の焦点だ。臨時の総裁選が行われることになれば、石破総理も出馬は可能ではあるが現時点では勝てる可能性は少なく、勝てる見込みがなければ出馬を見送るだろう。辞任にむけ外堀が埋まりつつある。

選挙に負けて誰も、何も責任を取らない組織はあってはならないし、より結果責任が求められる政治の世界ではなおさらだ。現在、参院選の敗因について有識者のヒアリングが行われていて、指摘されているのは、石破総理が「政治とカネ」の問題で刷新感を出せなかったことや自民党が物価高対策に有効な施策を打ち出せなかったことなどだ。そうした根本原因を放置して、党内の権力争いに終始しているようでは、ますます自民党は国民から見放されるだろう。

TBS政治部 世論調査担当デスク室井祐作

【8月JNN世論調査 設問と回答は以下】
●石破内閣の支持率は36.8%(前月調査より4.0ポイント上昇)。不支持率は60.5%(前月調査より3.1ポイント下落)

●政党支持率は、自民党20.4%(前月より0.4ポイント下落)、立憲民主党6.9%(前月より0.6ポイント上昇)、日本維新の会2.7%(前月より1.4ポイント下落)、国民民主党8.7%(前月より2.8ポイント上昇)。参政党は10.2%(前月より4.0ポイント上昇)

●日米関税交渉の合意について「評価する」50%、「評価しない」33%

●参院選の結果について「与党がもっと議席を取った方が良かった」23%、「野党がもっと議席を取った方が良かった」33%、「結果に満足している」35%

●今回自民党が参院選で敗北した理由について「石破政権に期待ができなかったから」20%、「自民党に期待ができなかったから」46%、「他の野党の方が期待できるから」15%、「それ以外の理由」16%

●参院選の敗北を受けて石破総理が「辞任すべき」は43%、「辞任する必要はない」は47%

●望ましい政権のあり方は「自民・公明を中心とする政権の継続」は39%(6月より4ポイント下落)、「いまの野党を中心とする政権に交代」は49%(6月より8ポイント上昇)

●自公連立政権に新たに野党が加わる場合、望ましいのは「立憲民主党」17%、「日本維新の会」14%、「国民民主党」23%、「参政党」15%、「それ以外の政党」16%

●次の総理にふさわしい人は
1位 小泉進次郎氏 20.4%
2位 高市早苗氏 16.7%
3位 石破茂氏 11.1%
4位 河野太郎氏 5.2%
5位 玉木雄一郎氏 4.4%
6位 野田佳彦氏 3.8%
7位 林芳正氏 3.4%
8位 上川陽子氏 2.3%
9位 小林鷹之氏 1.7%
10位 茂木敏充氏 1.1%
11位 加藤勝信氏 0.8%
12位 前原誠司氏 0.5%
「その他の政治家」 18.1%

【調査方法】
JNNではコンピュータで無作為に数字を組み合わせ、固定電話と携帯電話両方をかけて行う「RDD方式」を採用しています。8月2日(土)、3日(日)に全国18歳以上の男女2531人〔固定843人、携帯1688人〕に調査を行い、そのうち39.6%にあたる1003人から有効な回答を得ました。その内訳は固定電話498人、携帯505人でした。インターネットによる調査は、「その分野に関心がある人」が多く回答する傾向があるため、調査結果には偏りが生じます。より「有権者の縮図」に近づけるためにもJNNでは電話による調査を実施しています。無作為に選んだ方々に対し、機械による自動音声で調査を行うのではなく、調査員が直接聞き取りを行っています。固定電話も年齢層が偏らないよう、お住まいの方から乱数で指定させて頂いたお一人を選んで、質問させて頂いています。