長崎は9日、原爆投下から80年の節目を迎えます。今日はスタジオにゲストにお越しいただきました。俳優の北村総一朗さん(89)です。


TVドラマ「踊る大捜査線シリーズ」の神田署長役でもおなじみ北村さん。長崎まで、今日なぜお越しくださったのか、こちらをご覧ください。

東京都板橋区にある劇場Pit 昴。訪ねたのは今年5月でした。

北村さん「緊迫感を消さないで欲しいの。そこで」

舞台「フツーの生活、長崎編」(今年5月~6月2日東京で上演)
長崎市のある病院で繰り広げられる原爆投下直前までの数日間を描いた物語で、北村さんが演出を手がけました。


舞台には四つのベッド。冗談を言ったり、言い合いをしたり、恋心が交錯したり、戦時下で普通の長崎市民が、普通に明日を信じ、暮らしていた日常を瑞々しく描くことで、無差別大量殺人である原爆の惨さを伝える作品です。6月まで東京で上演され、大きな反響を巻き起こしました。
Q.北村さんは原爆をテーマにした舞台に、どのように向き合われたのでしょうか?

最初にこの本を読んだとき──劇作家・中島淳彦さんの「フツーの生活長崎編」って言うんですよね。読んだときにね。まず最初に僕はやっぱり犠牲になられた長崎に来て、追悼の誠を捧げるべきだと思ったんですね。だから長崎に来て、長崎の人の生活を見たいし、僕、チンチン電車にも乗りました。乗って訛りも聞きました。そしてみんなの笑顔を見て、それと同時に、長崎の原爆資料館行ったりね、浦上天主堂行ったりあるいは平和公園行ったり、あるいは爆心地行ったり、そういうことをしていくうちに、長崎ってのは、やっぱりこういう悲劇を、もう凄惨な悲劇を背負いながら、抱えながら、やっぱり生きてきたんだな、いや、今もそうやって生きてるんだなっていうことを感じて感慨無量だったんですよね。