8月に入りお盆の時期も近づいてきましたが、依然として厳しい暑さが続く中、本格的な夏の到来とともに海水浴シーズンも真っ只中になってきました。夏の風物詩に挙げられる海水浴ですが、近年海水浴客の数は年々減少傾向にあると言われています。（アーカイブマネジメント部　小熊　優）

今から約50年前の大混雑の海水浴

TBSのアーカイブには1976年8月、神奈川・湘南海岸の海水浴場の映像が残っていました。

この年の神奈川・横浜の8月平均気温は24.9度（最高：33.3度　最低：17.9度）と、今ではとても考えられないほど涼しく、快適な気候でした。

当時の映像には湘南海岸のビーチ全体を埋め尽くすほどの多くの海水浴客が訪れ、とてつもない混雑ぶりがわかります。

1976年（昭和51年）の湘南海岸の海水浴場。8月最初の日曜日でこの夏、最高の人出となりました。

浮き輪で泳いでいる人や砂遊びをしている子供たち。そしてビーチに目を向けると時代を感じさせるカラフルなパラソルがところ狭しと立てられています。

「小麦色の肌」など日焼けが「いいもの」とされたのも、今より気温が低かったからかもしれません。

国内最初の海水浴場

国内で最初に誕生した海水浴場は、今年で140周年を迎える神奈川県の大磯海水浴場です。

海水浴はリウマチ治療に効果的とのことで初代陸軍軍医総監の松本順によって、1885年（明治18年）に大磯海水浴場が開設されました。開設当初は実際に海に入って泳ぐ人は少なく、日光浴をしたり、膝まで海につかったりする程度だったそうです。

当時の海水浴は「泳ぐ」というのではなく、海水に浸かり身体に刺激を与え、海辺の清涼な空気を吸うことでした。