「万博だから来た」隠れ蓑になる可能性
海外旅行・輸入品の購入・国際ビジネス・留学・平和と安全などは、全て外交関係がうまくいっていないと成立しないことです。
「外交」は繊細な行事ということです。例えば、どっちの国が行くのか?招待するのかされるのか?どういう扱い?そもそも交渉していること自体知られたくない交渉や、妥協したことを自国民に知られたくない、など。
村田教授によりますと、G7やG20などのサミットは、内容は事前に事務レベルで調整しており、セレモニーの要素が強く、直接交渉する場ではないということです。
そういった繊細な交渉をするうえで、「万博があるから日本に来た」というのが『隠れ蓑』や『言い訳』になることもあるということです。たとえば7月19日に、アメリカの「ナショナルデー」がありましたが、これは関税交渉の真っ只中でした。
赤沢大臣が何度もアメリカに渡る一方、アメリカ側が来日することはありませんでしたが、このナショナルデーの日は、関税交渉担当のベッセント財務長官が来日しました。
あくまでも“ナショナルデーだから来た”ということで、このときは関税交渉をしていないと公には言われていますが、関税の話もしていたのではないかと見る向きもあります。
そして、アフリカ諸国も万博が外交の隠れ蓑になる可能性があるそうです。各国の首脳は万博を理由に直接日本へ訪問することができます。アフリカ諸国は中国と結びつきが強く、その立場からすると、中国を超えて日本に行くことは、投資してきた恩があるのに、というような微妙な関係があるそうですが、「万博があるから日本に行った」は、通用するということです。
過去を振り返ります。1970年の大阪万博の際は、台湾がパビリオンを出展したことで、中国はが抗議し参加を見送りましたが、水面下で話し合いが行われていたそうです。この際に日本は対中外交の重要性を再認識し、明確な外交記録はないものの、この経験が1972年の日中国交正常化の伏線の一つになったといわれているということです。