複数の同僚隊員に、ロープを首にかけて引っ張るなどの暴力を伴う指導を行い、精神的苦痛を与えたとして、海上自衛隊呉地方総監部は26日、掃海母艦「ぶんご」に所属する20代の海士長に、停職8か月の懲戒処分にしました。
呉地方総監部によりますと、海士長は23年3月、当時所属していた部隊の同僚隊員に対して、甲板から高さ約2メートルの場所にロープをかけ、首を吊る様な状態にしたうえで、ロープを引っ張ったり緩めたりしたということです。このほかにも、今年2月から4月にかけて、3人の同僚隊員に対して指導として、頭や腹などを複数回殴ったり蹴ったりしたということです。
被害を受けた4人にけがはありませんでした。
被害を受けた2人が同僚や上司に相談したことで事案が発覚。さらにその後、掃海母艦ぶんご内で行われた独自調査によって、ほかの2人も被害を受けていることが分かったということです。
20代の海士長は、「パワハラに関する意識が欠如していたことにより、上司や同僚に迷惑をかけ誠に申し訳なく思っており、深く反省しています。今後は二度とこのような服務事故を起こしません」と話しているということです。
掃海母艦ぶんご艦長田中孝嗣二等海佐のコメント
「服務事故の防止について取り組んでいる中で、隊員がこの様な事案を生起させたことについて、大変申し訳なく思っております。引き続き隊員に対する服務指導および厳正な規律の維持に努め、再発防止に取り組んでまいります」