AI着色された映像を専門家とも検証

補正の考え方や方法などの指導を受け、現実の色に近付けていく作業を進めていきます。それと同時に専門家との検証も進めました。
広島電鉄の社史に携わった藤田睦さんにも確認してもらいました。AIが着色した映像を当時の色だったグレートと青に補正した上で、映像を見てもらいました。

広島電鉄 藤田睦さん
「上半分がちょっとクリーム色っぽくなっていますけど、まだこの時代はグレーっぽい色だったんじゃないかと思います。(Qもう少し、側面に近い色?)そうですね。むしろ側面の方が、キレイに復元されていますよね」
治療シーンについて医師にも意見をもらいました。撮影日誌などの当時の記録から分かる、火傷の状態、術後の日数、そして、病状などと比較してもらいながら、矛盾点などを指摘してもらいました。

広島赤十字・原爆病医院 皮膚科 佐々木 諒医師
「(赤ちゃんの症状は)ペラグラといって、栄養失調の方に全身に湿疹が出る症状。それこそ戦時中とか戦後の小さなお子さんに結構見られたと聞きます。おそらく、小さな点のようなものは、かき傷だとは思う。かゆくてかいた痒く痒くでかいた後みたいな」
そして、当時の景色をしる被爆者の人たちにも映像を見てもらい、現実に近付ける作業をしていきました。

そして、色を添えた映像。焼け野原にあるバラックのそばを人が歩いていることが確認できます。カラーになることで、これまで目に止まらなかったところが見えるようになります。行き交う人の息づかいや、傷ついた人たちの体温も感じることができます。
そして、核兵器が存在する限り、こうした映像は決して過去ではなく、起こり得る未来でもあることを想像してください。
【画像を見る】AIを活用しカラー化した映像や検証作業
※記事を更新しています。