今、子どもの体に異変が起きています。両腕を上に上げるバンザイや、かかとを床につけたまましゃがむといった、基本動作ができない子どもが2人に1人の割合にのぼっているといいます。改善させる方法はあるのか取材しました。

■片脚で立ったりバンザイやしゃがむことが出来ない子どもが増加

全国の小・中学校で取り入れられている、文部科学省監修のマニュアルにある健康診断のチェック表。この中には「片脚立ち 体が傾いたりふらついたりしませんか」、また「バンザイした時 両腕が耳につきますか」、「しゃがみこみ 足の裏を全部床につけて完全にしゃがめますか」という項目が2016年度から盛り込まれています。こうした項目が健康診断に盛り込まれるほど、これができない子どもたちが増えています。

文部科学省スポーツ 青少年局学校健康教育課監修「児童生徒等の健康診断 マニュアル」より


■バランスが取れなかったり 足の指が痛くてしゃがめない子ども達

これは本当なのか。番組が街で小・中学生に「しゃがめるか」試してもらったところ、足の裏を地面につけてきれいにしゃがめる子どももいれば、体の前後のバランスが取れずなかなかうまくしゃがめない子どももいました。


ある男の子は途中まで腰を落とせますが、足の指が痛くなってしまい膝を曲げられませんでした。18人の小・中学生にやってもらったところ、このうち4人が足の裏をつけてしゃがめませんでした。

■バンザイやしゃがむことなどが出来ない子どもは2人に1人

さいたま市で整形外科医をしている林承弘医師は約700人の中学生を対象に、この4項目について動作のチェックを行いました。

【4項目】
▼両手を垂直に上げてバンザイができるか
▼かかとを地面につけたまましゃがむことができるか
▼ふらつかずに5秒以上片脚立ちができるか
▼膝を伸ばしたまま前屈して手を床に付けるか

調査の結果、“1つでも当てはまる”という生徒が2人に1人いたということです。


林整形外科 林承弘院長
「いずれかひとつでもできない子を『子どもロコモ』と言っています。手を垂直に上げることができない子は2割。真っ直ぐしっかり上がらないのは肩甲骨がガチガチになってしまっている」