■子どもの体に何が起きているのか
林医師のもとで4月から治療を行っている男子中学生は、しゃがもうとするとうまくバランスをとることができずお尻をついてしまいます。初めて病院を受診したときは、腕をまっすぐ上げることもできなかったといいます。
男子中学生
「股関節、ここの痛みが前からあって病院に来たんですけど、しゃがみこみとか手を上にあげたりとかができてなくて。元から体が固いのもあって、『もっとストレッチしなよ』と親にも言われてたんですけど」
■原因は子どもの姿勢
原因として、林医師が注目したのは、男子中学生の姿勢です。

林整形外科 林承弘院長
「顎が出て、肩が『巻き肩』になっていて、それから猫背、それと腰椎のところが後湾して骨盤が寝てしまっている。骨盤が寝てしまっていて(背中が)反れないんですよ」

林医師は指摘します。
林整形外科 林承弘院長
「スマホやゲームのやりすぎによる姿勢の悪さが一番大きいと思います。猫背になるということは骨盤が立ってこないので基本的な運動機能にも影響して、うまくしゃがみ込むことができない。体前屈ができなかったり」
■遊びや生活様式の変化も原因!?
そしてもうひとつ原因としてあげたのが「遊び」や「生活様式」の変化です。
林整形外科 林承弘院長
「超便利社会で、例えば(学校の)和式トイレが便利な洋式トイレになってしゃがみ込みはやらないですよね。昔は木登りとかかけっことか、単純だがそういう遊びがあったんですけれど、今はスマホやゲームに没頭してしまってほとんど体動かさないんですよね」
林医師は腰痛や肩こりを訴える子どもも増えてきていると話します。
また体が固い、筋力や関節が十分に発達しないとけがのリスクも高まるといいます。

独立行政法人日本スポーツ振興センターの統計によれば、骨折する子どもの割合は、40年前と比べなんと約2.5倍に増えています。