古谷文平さん(左)と小松聖児さん(右)2025年2月

古谷さんと小松さん、中学・高校とサッカーに青春を捧げた2人が「宇宙」というキーワードで結びついた。そんな2人には、ある“共通点”がある。2人とも高校・大学を卒業後、海外で活躍し“広い視野”を持っていることだ。

商社で海外勤務も、故郷の人口減を危惧し「自分にできることを」

創業100年の老舗「高知サンライズホテル」を経営する古谷さんは、土佐高校を卒業後、上智大学へ進学。アフリカの政治経済に興味を持ち、大学卒業後は東京大学大学院に進み、その後は商社に勤務した。3年間のアフリカ駐在を含む10年間、海外ビジネスに従事し、故郷に戻ったのは2019年だった。

アフリカに駐在していた古谷さん

▼古谷文平さん
「自分のやりたかった仕事をやり遂げ、『次に何をしたいのか』という思いが芽生えた時に、高知が置かれている厳しい状況などを見るにつけ、『自分にできることがあるのではないか』…そう思ってUターンすることを決意しました」

古谷さんが特に危惧していたのは、急速に進む“人口減少”の問題だった。

▼古谷文平さん
「2050年、高知の人口は『45万人』になると推測されていて、龍馬が生きた江戸時代末期の水準に戻ろうとしています。そうした厳しい状況の中で、『高知の強みを生かし、未来に繋がる産業とは何か』…ずっと考えていて、行き着いたのが、この『スペースポート構想』なんです」

一方、共同発起人の小松さんは、人工衛星の開発エンジニアとして活躍してきた。そんな彼の「やったるかい?」のコメントから動き出した「スペースポート構想」は、小松さん自身の人生をも大きく変えることになる。