高知が、宇宙と繋がる“アジア最大の玄関口”に!?
「スペースポート高知」によると、近年の気候変動などにより、観測衛星や通信衛星など国内での衛星の打ち上げ需要は“右肩上がり”。宇宙産業市場は今後さらに拡大していくと予測されていて、日本の宇宙産業を強化するためには「スペースポート(宇宙港)」の整備が急がれる。
現在、国内では構想中のものも含め、北海道や和歌山などに7か所の「スペースポート」があるが、そんな中で「高知はスペースポートに適したロケーションで、大きな可能性がある」とされている。

「南国・土佐」と言われるだけあって南に位置している高知は、国内でも比較的「赤道」に近く、地球の自転を利用して燃費よくロケットを打ち上げることができる。さらに南側が広大な太平洋に面していることから、「安全性」という観点でも「環境が整っている」という。
では、「スペースポート」が実現すれば、高知はどう変わるのだろうか?
▼古谷文平さん
「ロケットを打ち上げる『射場』を中心に、打ち上げとなると多くの人が訪れますし、宇宙以外の産業にも非常にメリットがある。観光をはじめ、いろんな“相乗効果”が生まれるはずです。衛星データを使って、高知が強みとしている一次産業の競争力強化を図るとか、そういったことにも繋がってくるのではないかと思っています」
▼小松聖児さん
「『スペースポート』の実現で、人や物が高知と宇宙を往来する時代が来ます。それは、“高知に活力を与える”ものになります。まだまだ始まったばかりですが、高知に帰ったらこの構想をより具体化して、打ち上げの『射場候補地』の調査や、資金調達などを進められるパートナーを探し、共に進めていければと考えています」
当面の目標は「高知県への政策提言」で、勉強会などを重ねて着々と準備を進めている。近く完成をイメージした模型も制作予定だ。

構想に向けての資金調達のために行ったクラウドファンディングでは、リターン品として、オリジナルTシャツが用意された。その胸元には、高知が生んだ幕末の志士・坂本龍馬の後ろ姿が描かれている。
その龍馬の視線の先には、宇宙へ向かって飛び立つロケットの姿が。「スペースポート」が高知に実現すれば、桂浜にある坂本龍馬像が宇宙へ飛び立つロケットを見送る…という、このイラストに描かれた光景が現実となるのだろうか。
もし坂本龍馬が、令和の今の時代に生きていたら…。2人のように、高知の未来を宇宙に託したかもしれない。
目指すのは「2029年の打ち上げ」。「夢ではなく、実現できるプロジェクト」という、古谷さん、小松さんの力強い言葉から、高知の未来に光が見えてくる。