厳しい暑さが続く中、深刻な水不足が起きています。兵庫県では、三宝ダムの貯水率が半分以下になり、夏の市営プールが営業中止になりました。水不足に対して私たちができる対策、さらに社会全体で考えていくべきこと、専門家や水のプロらの見解をまとめました。

◎橋本淳司:武蔵野大学客員教授 水ジャーナリスト
◎吉村和就:グローバルウォータ・ジャパン代表
◎新田洋司:福島大学教授

近畿北部では降水量が去年のわずか10%

史上最も早い梅雨明け。気象庁の7月27日までの30日間合計降水量を見ると、大阪市では103ミリほどで平年の56%ですが、兵庫県豊岡市は20ミリで平年の10%、京都府舞鶴市は19ミリで平年比の9%と非常に少なくなりました。

日本の水資源の3分の1は「梅雨」と「台風」だそうで、災害は心配ですが、水不足という意味でいうと、台風が来てくれることで補える水もあるそうです。

丹波市立春日レジャープールは、7月23日に営業を開始しましたが、わずか3日で営業中止を発表。水源である三宝ダムの貯水率が28日午前で39.5%となっています。30%を切ると夜間の減圧給水、20%を切ると夜間断水もあり得るということです。
6.jpg 水不足になると、主に生活用水、農業用水、工業用水に影響が出てきます。1994年の大渇水の影響は以下の通り。

関西での取水制限
琵琶湖:43日間
木津川3ダム:50日間
室生ダム:70日間
一庫ダム:277日間
5.jpg 実は近畿の全ダムが渇水状態になっているわけではなく、28日午前時点で、琵琶湖ではマイナス30cmとなっています。これがマイナス90cmほどになってくると、節水なども考え始めなくてはいけないそうです。