南海トラフへの影響は?

―――この地震で日本近海、もしくは日本列島への地震の影響はあるのでしょうか?

 「この地震によって直接的に日本列島の地震活動が大きくなる、誘発が非常に大きくなるということは考えにくいですが、地震の規模が非常に大きかった、かつ日本の各地でも震度1や2が観測されているように、揺れが日本列島にまで到達している事実があります」

 「そのような揺れによって地震が誘発されるメカニズムもあり、その効果はそこまで長続きはしませんが、今回の地震の揺れによって、地震が少し起こりやすくなっている状態が1日、2日ぐらいはあるというのが過去の地震の例にもあります。そういう意味では普段よりは地震が起こりやすくなってると警戒感を持った方がいいのではないかと思います」

―――根室沖であるとか、北海道沖ではどうでしょうか?

 「北海道でも震源地からは1000kmぐらい離れているので、この地震が起こったことで、北海道沖周辺で起こりやすくなることは考えにくいと思います。ただ、地震が限界まで近づいているようなところだと、これが最後のひと押しになってしまって誘発されることは当然あるので、北海道だけでなく日本列島は他の地域でも十分注意する必要があると思います」

―――今回の地震が、必ずしも南海トラフなどの地震を引き起こす可能性があるとは言い切れないという解釈でよろしいでしょうか?

 「直接的な影響としてはほとんど無視できる程度で、それほど心配することはないと思います。どちらかというと、より局所的に起こるようなタイプの地震だと、今回の地震によって地震の発生回数が増えたりといった影響があるのではないかと見ています」

―――この規模の地震が起きると、連鎖して同じプレート内で起こる可能性はあるのでしょうか?

 「カムチャツカ半島の周辺では、今回の地震がきっかけとなって同じタイプの地震が今後も起こりうると思います。例えば、今回の地震は本震のマグニチュードが非常に大きいので、余震でもマグニチュード8クラスということも考えられます。余震でも大きな被害が出る場合もありますし、この余震によって生じる津波がまた日本に来る可能性もあるので、余震、あるいは引き続き発生する地震について、この先1週間ぐらいは注意が必要」