百数十年の間に10回も起こっていない規模の地震

―――本当に大規模な地震になりましたが、なぜここまで日本に津波の影響が出たのでしょうか?

 「地震の規模を表すマグニチュードが非常に大きかった。アメリカの地質調査所によりますと8.8ですが、マグニチュード9に近い地震は超巨大地震と呼ばれています。地震が観測されるようになった百数十年の間でも全部で10回も起こっていないぐらいの規模の地震です。その一つが東日本大震災ですが、太平洋の周辺どこで起こっても、太平洋全体に津波が広がるような規模になります」

「例えば東日本大震災のときも、日本だけではなくて対岸のアメリカの方にも津波が押し寄せて被害が出たりとか、1960年にあったチリ地震という太平洋の反対側で起こった地震でも、日本に津波が来て大きな被害が出たので、やはり地震の規模がとにかく大きかったのが一番の原因」

―――関西では和歌山や大阪で津波を観測。第一波到達後も波が大きくなっていくと考えてもよいでしょうか?

 「そうですね。今回のような遠いところで起こった津波、いわゆる遠地津波の場合は、第一波よりも第二波、後続の波の方が高くなる傾向があります。津波注意報、あるいは警報が出ている間は避難が必要だと思います」

―――津波警報が発表されたエリアは最大3m予想。どのような被害が考えられるのでしょうか?

 「高さ3mの津波だと、防潮堤や防波堤を乗り越えるような高さになるので陸地でも浸水が起こります。そして浸水高が1.5mぐらいを超えると、木造住宅だとそのまま流されてしまう。浸水が例えば30cmでも、大人でも立っていられないぐらいの水の塊が押し寄せることになるので、そのような浸水が想定される地域では安全なところ、高いところに逃げることが必要です」