15日、ポーランドにミサイルが着弾し2人が死亡する事態に。着弾したミサイルはどこから撃たれたのか?ウクライナ、ロシアなど各国の見解を見ていくとともに、今回の一件に対する「ロシア側の狙い」について、識者を交えて考えます。
■ミサイルが着弾したポーランドの現場は? ウクライナ側の主張

ホラン千秋キャスター:
ポーランドに着弾したミサイルについて見ていきましょう。
ウクライナとポーランド、その国境近くにあるポーランドの村、プシェボドフという村にミサイルが着弾しました。この村は国境から約6キロしか離れていない場所です。穀物乾燥施設にミサイルが着弾し、60代の男性2人が亡くなっています。
着弾したとされる現場の穀物乾燥施設の写真です。その近くに住む村の住民の方がインタビューに応えてくれました。住民は「我が家から50メートルくらいの場所にミサイルが落ちました。亡くなった2人はよく知っています。とても残念です」というふうに話してくれました。現在、専門家チームなどによる調査が進められていて、ミサイルなどの破片などを証拠として集め調査を進めるということです。

このミサイル、一体誰が、そしてどこから発射されたものなのか。ウクライナ側の主張としては、11月15日にゼレンスキー大統領は「ロシアのミサイルがポーランドを攻撃した」というふうに話しています。そして、16日には「空軍からの報告を信じている。我々のミサイルではないことに疑いの余地はない」と話していて、ロシア側のミサイルであるということを一貫して主張しています。
■ミサイルはどこから? 各国の見解

ホランキャスター:
ただ、NATOなど各国の主張を見ていくと、やや状況が異なるようです。
アメリカのバイデン大統領は「軌道から考えると、ロシアから発射されたとは考えにくい。これはウクライナの迎撃ミサイルの兆候がある」というような説明をしているそうです。
そして、まさにミサイルが着弾したポーランドのドゥダ大統領は「ポーランドに対する意図的な攻撃の兆候はない。ロシア側が発射したミサイルである証拠はない」として、ロシアが意図的な攻撃を行ったのではなく、むしろ「ウクライナの迎撃ミサイルの可能性が高いのではないか」という見方でした。
NATOのストルテンベルグ事務総長は「ウクライナ側の迎撃ミサイルによって引き起こされた可能性が高い」としていて、やはりウクライナ側の迎撃ミサイルではないかという見解です。
さらにロシアの国防省報道官は「ロシアの軍事専門家により間違いなくウクライナ空軍のS-300と確認されている」と述べています。そして、ロシアのペスコフ大統領報道官は、バイデン大統領がかなり早いタイミングで、「ミサイルは、ロシアからの軌道ではないのではないか」とに表明したことについて、「アメリカ側の反応は抑制的ではるかにプロフェッショナルだった」として、バイデン大統領を評価しているというような形です。