マインクラフト 大人も楽しめる?
――大人が楽しむためには、どうしたらいいのか。
タツナミシュウイチ氏:
子どもの気持ちを思い出しながら遊ぶのが一番です。
――水に入りたいけど、いいのかな、とか、大人になるとそういうモードになってしまいます。溺れるんじゃないか、アイテムを身につけなきゃ、と考えてしまいます。
タツナミシュウイチ氏:
「いってみよう、やってみよう」の心です。子どもならすぐに飛び込みます。気がついたらどこに行ったかわからないぐらい自由に動きます。自由に動く中で、「これ何だろう」「あれなんだろう」「叩いてみよう」「花が手に入った」「植えられるかな」「植えてみよう」と、どんどん進んでいきます。

自由に想像したことを形にできるマインクラフト。では、マインクラフトと教育はどのように結びついているのでしょうか?
タツナミシュウイチ氏:
マインクラフトの世界に学びの要素を散りばめると、知らない間に吸収してくれる。マインクラフトを使ってポジティブに捉えてもらう伝え方が、教育の一端を担っていると思います。
マインクラフトでどんな仕事をしている?
――少し触っただけで興味が湧いてきました。タツナミさんが15年間やってきた中で、どのような取り組みをしていますか。
タツナミシュウイチ氏:
私は物を作ることが大好きなので、マインクラフトでも「世界を作る」ということをやっています。世界中の建物や、創造することが主な活動です。
――例えば、国会議事堂をマイクラで作るとか?

タツナミシュウイチ氏:
そのようなイメージです。実際に作ったものをご覧いただきたいです。ブロックを集めて、組み合わせたり積んだりして、大きなものが作れるようになります。私はお城が大好きで、お城を作ったりしています。これはマインクラフトの世界でのオリジナルのお城です。自分で設計して作りました。

EDO BON DANCEは江戸時代の町をイメージした架空の世界。盆踊りや花火を楽しめるこの作品は、タツナミさんがイチから制作し、配信や販売もしています。
――すごいですね。
タツナミシュウイチ氏:
天守閣だけでなく、縄張り全て、本殿のお屋敷、お堀など。大手門があり、その先に武家屋敷、向こう側には長屋、商店街、神社があります。江戸の町を再現したワールドで、「EDO BON DANCE」という名前で世界中に配信しています。
――鬼平犯科帳のような世界ですね。
タツナミシュウイチ氏:
まさにその世界です。港や船があって、神社やお稲荷神社、1,000本の鳥居、農家など、いろいろなものを作っています。
――自分で町を作ったのですね。
タツナミシュウイチ氏:
城下町を一つ作れたという感じです。子どもたちに大事なメッセージに繋がる取り組みとして、東京大学で研究している平和学習教育があります。長崎の浦上天主堂という建物を作ったワークショップをご覧いただきたいです。

――長崎ですね。
タツナミシュウイチ氏:
実は、長崎の子どもたちが作りました。70数年前の長崎の町にあった建物を5つ、みんなで作ってみようというワークショップを行った。

「教育版マインクラフトで長崎の歴史を学ぼう」は、原爆投下前の長崎の暮らしと町並みを再現し、町作りを通して歴史を学ぶワークショップ。
タツナミシュウイチ氏:
右下の神社は片方しか残っていない一本鳥居ですが、かつての姿を再現しました。文献や写真を調べ、当時暮らしていた方のお話を聞き、自分たちで絵や設計図を描いて、1日かけて平らな場所に建物を作りました。