「この国にとって、沖縄とは何か」

w
神戸:この映画は、琉球放送の創立70周年記念作品でもあります。佐古監督はTBSテレビ。本土の人間が、沖縄に対してどう向き合うのか。佐古さんなりの姿勢を見せているようにも感じました。
佐古:今まで「沖縄の外から見る視点」を大切にしてきたつもりでいたんです。でも今回は、そこも大切にしながら、「沖縄からのメッセージ」という思いも実は込めたんです。「今の状態をずっと放置してきたのは一体誰なんだ?」と。常に、沖縄と沖縄県外、少数派と多数派の構図があるわけです。確かに、民主主義というのは多数決で決まるものですが、そうは言っても少数の意見を全く聞かずに、多数派がずっと少数派の上にあぐらをかき続けている状況が、民主的と言えるのかどうか。多数派に対して問いたい、という思いがありました。もちろん、私も含めてです。30年に及ぶ辺野古を巡る歴史を改めて見た時に、放置してきた多数派はこれをどう捉えますか。そんな問いかけのつもりでもありました。
神戸:「この国にとって、沖縄とは何か」。本土側を照射する映画になっていると思いました。

佐古:それは、大田さんが学者時代からずっと問い続けてきたテーマでもあるんです。何かあると大田さんのところに行ってさまざまなことを取材し教えてもらってきたんですけれども、常に「沖縄というものはこの日本にとって何なんだ」ということをいつも問いかけられてきたような気がしています。