大田知事を猛烈に攻撃した若き翁長雄志

若き翁長雄志(左)と大田昌秀県知事 ©2025 映画「太陽の運命」製作委員会

神戸:学者だった大田さんが周りから推されて、県知事になっていく。その知事を、自民党の若きリーダーだった翁長さんが猛烈に攻撃しています。

佐古:政党人としての振る舞いだったんだろうと思うのですが、とにかく県政を奪還するためには、この知事を引きずり下ろさなければと、猛烈に追及、攻撃していくのです。当時の構図では、県民が保守・革新揃ってとにかく大田さんを支持していく時代でした。翁長さんは攻撃の先頭に立っていたという時代です。翁長さんが安倍政権と戦っていた表情や姿を覚えていますから、沖縄の人でも「忘れていた」「知らなかった」と言う人たちがいますね。

翁長雄志・第7代県知事 ©2025 映画「太陽の運命」製作委員会

神戸:翁長さんは「政府と戦うリーダー」に見えたかもしれないけれど、もともとは政府と戦っていた大田知事を引きずり降ろした張本人だったわけですよね。

佐古:ところが、翁長さんが大田さんと同じ立場に立った時、それまで否定していたはずの大田さんの手法や考え方にどんどん則っていくのです。2人の歩みも、言葉も重なっていきました。それはなぜなのか。そこにこそ沖縄の歴史がある。もっと言えば「この国が沖縄にどう相対してきたのか、の答えがあるのだ」と思うのです。