ある76歳夫婦の生活から見える医療費

京都府京田辺市に住む高田禮美さん(76)は、夫の保幸(76)さんと2人暮らし。カメラが趣味の夫とかつては北海道から中国地方などまで旅行したといいますが、その生活は昨年一変しました。

「ちょっと出かけてて帰ってきたら(夫が)ひっくり返ってて、それから以降はもう足が全然だめになってしまいました」

夫に脳の病気が見つかり、下半身が不自由な状態になったのです。以来、夫婦そろって「しょっちゅう」通院する生活になりました。若い頃から健康に気をつかってきた高田さんですが、年齢とともに通院が増え、夫の介護のため腰痛が悪化して、まっすぐ立つことも困難になり、整形外科に通っています。

腰の治療を受けた高田さんが、この日支払ったのは1100円。年金で生活する夫婦にとって、自己負担が少ないとはいえ、決して安い額ではありません。「今の私にしたら医療制度はありがたい。もう本当に、いちばん身にしみている」。