SNS上で飛び交う過激な言葉 弁護士は「選挙運動の名のもとに露骨なヘイトスピーチが」
こうした中、外国人や難民などの人権問題に取り組む8つの団体が緊急共同声明を発表。11日時点で、565の団体が賛同した。

外国人人権法連絡会 師岡康子 弁護士
「各党が排外主義的な政策を競い合っている状況です。選挙運動の名のもとに、『黒人・イスラム系の人たちが集まっていると怖い』『外国人労働者は日本人のものを盗む』などの露骨なヘイトスピーチも行われています。しかし、『外国人が優遇されている』というのは全く根拠のないデマです」
今、SNS上では、外国人を排斥し、危機感を煽る過激な言葉が飛び交っている。
SNSの投稿
「日本が外国人だらけになってる。ぶっ壊れるのも時間の問題じゃありませんか?」
「最悪、利用されるだけの日本。売国政府に苦しめられる日本人」
生活困窮者の外国人を支援している大澤優真さん。

日本における外国人の人口は、年々増加の一途を辿っているが、刑法犯の検挙人数は、逆に減少傾向にあると話す。
つくろい東京ファンド 大澤優真さん
「“外国人が増えて治安が悪化した”と言われますが、そういうことになっていません。1990年代と比較して、外国人の人口が増えたが、治安の悪化には全く繋がっていない。むしろ改善している」
さらに、厚生労働省の2023年度の統計をもとに計算すると、生活保護を受給した165万478世帯のうち、外国人が世帯主のケースは約2.9%だ。

つくろい東京ファンド 大澤優真さん
「“外国人が優遇されてる”私達からするとそんなの有り得ない。“生活保護目当てに殺到している”というのは、統計上あり得ない。生活困窮者支援団体には、生活保護を利用できない外国籍の方から毎日相談を受けています。生きていけないような状況です」
外国人差別に詳しい明戸隆浩准教授は「日本人ファースト」という、ともすれば聞こえの良い言葉が差別を煽っていると警鐘を鳴らす。
山本恵里伽キャスター
「『日本人ファースト』という言葉が独り歩きしている印象があるんですけれども、ヘイトスピーチとは違うのか」

大阪公立大 明戸隆浩 准教授
「『日本人ファースト』って、それだけ取り上げると『日本人を大事にします』それって『排外主義なの?』『ヘイトスピーチなの?』と言えてしまう。
ヘイトスピーチで重要なのは、『差別の扇動』。差別用語を一切使わずに差別を煽るということ。『出てけ』と言ってませんよと言い訳ができてしまう。『日本人ファースト』が支持層に対して、排外主義を煽る。当然、言っている側も分かっていない訳がない」

















