各党のコメ政策は?

小川彩佳キャスター:
大規模農家の中森さんからは「米を作るには人を作らないといけない」という言葉もありましたけれども、小規模農家にもやはり続けていってもらう必要がある。とにかく担い手が足りないということでした。

国際情報誌「フォーサイト」元編集長 堤伸輔さん:
大規模農家が今6割ぐらい作っているわけですが、そこでも高齢化が進んでいるという話もありますよね。だから中森さんのおっしゃることもよくわかります。

ただ、先々を考えると、小規模農家の土地が耕作放棄地になっていかないように、大規模に農家に集約できるような動きはずっと続けていかないと、いま言ったような、持続的な安全保障にもなるような農業はできないのだろうなと思います。

藤森祥平キャスター:
参議院選挙を控え、各党がどのようなコメ政策を考えているのか。JNNがアンケートを行い、回答の抜粋をお伝えします。

自民
●円滑な流通確保
●備蓄体制の確立
●水田政策の見直し

公明
●中長期で増産方針を明確に示す

立憲
●戸別所得補償をバージョンアップ
●就農支援の資金を10倍に

維新
●アメリカからの輸入拡大
●若者の就農促進

共産
●生産量の確保
●備蓄米を2倍に
●農家の労働報酬を保障

国民
●直接支払い制度の再構築
●主食用米の増産

れいわ
●農林予算を倍増
●戸別所得補償導入

参政
●直接所得補償を進める
●生産者の準公務員化

社民
●所得補償の実現
●休耕地の活用

保守 ※党HPより
●農林水産の就業人口 増大・増産
●国内産品の国内消費推進

小川キャスター:
消費者としては、コメ価格の高騰は困る。一方で、生産者もしっかり守らないといけないという中で、各党の公約が出ていますが、どういったところに注目して選挙に向き合っていけばよいでしょうか。

国際情報誌「フォーサイト」元編集長 堤伸輔さん:
各党の公約は、どうしても農業票も欲しい。かといって消費者の票も失いたくないわけです。

皆に受けの良い言い方をして、その分、抽象的になっていると思いますが、自分なりにポイントを作って公約も見ていきたいです。

例えば私自身の場合は、日本のコメの流通は非常に多段階流通になっている。いくつもの卸売業者や、集荷業者作業、小売りが重なっているので、私は多段階流通をなるべくシンプル化するような訴えをしている政党に注目したい。

それから、輸出を拡大しなければ安全保障にも繋がっていかないので、米の輸出拡大をきちんと訴えている政党があれば、少なくともこの問題ではその政党に1票入れる気持ちになるかもしれません。

それぞれの方が、自分のポイントになる点を1つか2つ考えて、そこが公約に入っているかどうかを探してみるのもいいのではないかと思います。

小川キャスター:
そういったポイントをどれだけ説得力を持って語ることができているのかということですね。

国際情報誌「フォーサイト」元編集長 堤伸輔さん:
そこから各党の本気度をのぞき見てみたいなと思ってます。

藤森キャスター:
論点がたくさんあるので、具体的に書かれてる内容をしっかり吟味していきたいですよね。

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<プロフィール>
堤伸輔さん
国際情報誌「フォーサイト」元編集長
政治から社会問題まで幅広い報道に携わる