いよいよ7月3日に公示となる参議院選挙。news23では7月1日、党首討論を行いました。
番組では、▼5人以上の国会議員が所属し、▼直近の衆・参いずれかの国政選挙での得票率が2%以上の8党を招き、「給付か減税か?」「コメの適正な値段は?」などについて党首に聞きました。
(全3本のうちの前編。「news23」7月1日の放送より)
物価高対策「減税」か「給付か」
小川彩佳キャスター:
まずうかがうのは、各党が掲げる「物価高対策」についてです。
●自民 減税・給付
●公明 減税・給付
●立憲 減税・給付
●維新 減税
●国民 減税
●共産 減税
●れいわ 減税・給付
●参政 減税
自民党 石破茂総裁:
私たちは何よりも「賃上げ」だということを言っています。「給付」か「減税」かではなく、まず「賃金を上げる」ということですね。
(令和)6年度補正予算、(令和)7年度予算で103万円の壁を撤廃していますから、減税も1人当たり2万円から4万円、これが実現します。また、給付もそうですが、低所得の世帯3万円、お子さん1人当たり2万円。給付も減税も予算を認めていただいてやってるわけです。
だけど、賃金もずいぶん上がったけども、まだ物価上昇分がある。そこに対しては、重点的に、困ってる人に重点的に、そして何よりも速さというものを優先して、消費税は大切な社会保障の財源ですから、これには絶対に傷をつけないという形で給付も減税もやってまいります。
だけど、何よりも「賃金を上げる」ということが我が党の方針です。
公明党 斉藤鉄夫代表:
「物価高を上回る賃金上昇」これがまず基本です。しかしながら、まだ物価上昇の方が多い現段階で、われわれは「減税」も「給付」もということを訴えております。多くの方が不安を持ち、また将来に対しても不安を持ってらっしゃるということです。
「減税」につきましては、課税最低限を103万円から160万円まで上げました。これをさらに上げていかなきゃいけないと思います。また、年少扶養控除等の見直しも必要になってまいります。
また、自動車関係諸税も、これは暫定税率の話などを行っていきます。そして私たちは、奨学金減税、奨学金返済に苦しんでいらっしゃる方への減税等も行っていきたいと思っております。
その上で、それでもまだ物価上昇に足らないところを「現金給付」するということでございます。この「現金給付」につきましても迅速さが大切だと思っております。
ですので「減税」も「給付」も、「多様な減税」「迅速な給付」ということを訴えております。
立憲民主党 野田佳彦代表:
賃金の引き上げが大事だということは言うまでもありませんが、去年の12月からずっと一貫して実質賃金はマイナスですね。ですから、物価高対策こそが今回の最大の争点だと思ってます。
方法は二つ、軸は「減税」です。例えば消費税を、われわれは食料品に今8%かかってるものを0%にしようとしていますが、これは税制改正を伴いますので、実施できるのが4月いっぴからです。
だとすると、足元の物価高対策としては、その間「給付」で繋いでいくということで、これは1人2万円を給付すると。消費税の負担を4万円減税なんですね、税率8%から0%っていうのは。その半分、年度途中から実施ということで、1人2万円給付を「食料応援給付」という形とさせていただく。(減税と給付)セットであります。
一方で、ガソリン減税も訴えていますが、これは自動車関係諸税の整理合理化から与党は考えてるんでしょうが、私はすぐ実施すべきだと思っていますので、われわれにお力をいただいたら、臨時国会にでもそれは実現できるように頑張っていきたいと思います。
日本維新の会 吉村洋文代表:
「減税」です。全国民に現金をばら撒くのであれば最初から取らない方がいいです。「減税」をするべきです。
特に今物価が上がってるのは食料品とエネルギーです。だから2年間、食料品の消費税ゼロ、そしてガソリンの暫定税率を廃止する。これをやるべきです。
ただ最も重要なことは、社会保険料を下げるということです。今、人口は減少し、高齢化社会になっていく中で、社会保険料の負担が圧倒的に多いです。
例えば、年収350万円の人は所得税は7万円ですが、社会保険料はなんと50万円天引きです。さらに事業主負担分も50万円ですから、350万円の給料の人って100万円社会保険料を負担している。しかもこれは、これから何もしなければさらに増えます。
そうすると、現在の現役世代だけではなくて、僕たちの子どもたち、孫たちがもっと困る社会がやってきます。
だからこそ、賛否両論あります。批判も受けます。でも僕は社会保険料を下げるということをやるべきだと思います。センターピンは社会保険料を下げる。ここです。
国民民主党 玉木雄一郎代表:
「減税」です。今、インフレでインフレ増税になっていて、インフレというのは増税したのと同じ効果をもたらすので、国に今すごく税収が入ってきているんですね。
昨日(6月30日)も発表がありましたが、5年連続、過去最高の税収、また、5年連続税収の上振れが生じていて、その額は1年間平均6兆円を超えています。
インフレによって国にはたくさんお金が入ってきているんだから、インフレで困ってる人に、予定より入ってきた税金については吉村代表が言ったように、取って配るんじゃなくて最初から取らないということで、私達はいわゆる103万の壁の所得税の控除額を引き上げて178万円まで、インフレ率や最低賃金の上昇率を勘案して上げようと。
これを上げれば、平均年収の方で大体月1万年間12万円の減税効果があるので、手元に12万円のお金が残りますから、仮に2万円出費が増えたとしてもカバーできるわけです。
今、大体1世帯当たり物価上昇で9万円出費が増えていると言われていますので、10万円を超える手取りの増加がないと、実質厳しくなってしまいますから、私達は「減税」。
とりわけ「所得税の減税」で、取って配るのではなく最初から取らない。最初から取らずに残す。これをしっかり進めていきたいと思います。
共産党 田村智子委員長:
消費税廃止を目指して緊急に「5%の減税」。
あらゆる物価が上がってるわけですから、あらゆるものを下げると。一律に「5%の減税」というのが最も効果的だと考えます。
平均的な世帯で年12万円の減税になりますし、税率が一本化されるので、インボイスが廃止、きっぱりとできるというところも大きな物価高騰対策になると考えます。
そして、財源が問題になってくると思います。
大企業がアベノミクス以降、利益を2.6倍に増やしながらも、納めている法人税は1.6倍と伸び悩んでいる。アベノミクスで法人税の税率も下げた、減税のメニューも増やした、年11兆円もの減税になっている。ここを見直せば、消費税5%に踏み出すことできると。
先ほど賃上げとおっしゃいましたが、賃上げをどうやってやるのか、策があるのかが問われると思うんですよ。私たちは賃上げも必要だと。それは、大企業に溜め込まれている内部留保の一部に課税をして、中小企業を直接支援するかどうかと、これが賃上げできるかどうかの鍵ですから、こういう政策は今の自民党・公明党政権が無策じゃないのかということも指摘したいと思います。
れいわ新選組 山本太郎代表:
「消費税廃止」と、そして「10万円給付」です。
30年不況が続く国は先進国で日本だけです。そこにコロナがやってきて、立ち直る前に物価高になっています。このような状況で賃上げと言われても、賃上げしようがありません。
もちろん賃上げしてる企業はありますが、無理矢理やっている企業が多いです。これ、いつまで持ちますか。
足元を見てみれば国民の6割が生活が苦しいです。そして1万件を超す倒産、28業種に至るまでが過去最高の倒産件数をマークしてると。そう考えたときに、誰かの消費は誰かの所得に回っていくという循環を大きくするしかない。30年成長していなかった国を成長させるなんていうのはいきなりは無理です。
だからどうするか。まずは「分配」。そして「成長」と繋がっていく。とにかく「消費税廃止」ぐらい大胆なことをやらないと、失われた30年は40年になってしまう。そういう考えです。
参政党 神谷宗幣代表:
われわれもですね、集めて配るよりまず「減税」というキャッチコピーでやっています。集めて配ると、それだけで手間も費用もかかるし、自治体の負担がかかったこともありますので、まず「減税」が一番スピーディーで公平だろうと考えているということです。
ただ、われわれも消費税の段階的廃止を訴えているんですが、それだけではなくて税と社会保険料の合計、国民負担率、今46%を35%まで下げて、それ以上上げないというふうにキャップをはめる。つまり国民の所得の3分の1は税・社会保険料を受け取るけれども、3分の2は使える状態を作るということが非常に大事だと思っています。
同時に、政府の積極財政で内需が拡大するような公共投資をしっかりやっていく。「減税」と「積極財政」で、内需を拡大して経済を成長路線に乗せて、それにより賃上げと財源の確保をやっていくと。これはかなり大胆なことですが、これぐらいやらないと今のトレンドが変わらないので、トレンドを変えたいと思っています。