「減税」の場合、社会保障はどうなる?

小川彩佳キャスター:
自民党の石破総裁には「給付」を挙げられていましたが、「消費税には絶対に傷をつけない」ともおっしゃっていましたね。

藤森祥平キャスター:
2つ挙げてらっしゃいませんでしたか。

自民党 石破茂総裁:
われわれは政府の立場ですから、予算をお認めいただきました。103万円の壁を撤廃することによって、「減税」というものが2万円から4万円の幅ですが実現します。だからこれは「減税」です。

そしてまた、低所得のご家庭に「給付」ということもやっています。お子様1人当たりの給付というのをやってます。これは(令和)6年度補正予算と(令和)7年度予算。

そして、「これからどうするの」というのが「給付」か「減税」という話になるのであって、それは「給付」もやれば「減税」もやります。

だけども、基本的に賃上げだって去年が33年ぶりの賃上げだったじゃないですか。今年はそれを上回る勢いじゃないですか。賃上げももっとやっていきますが、それでもまだ物価上昇が上回っている部分がありますから、その部分は、重点的に困ってらっしゃる世帯・お子さんのいらっしゃる世帯、重点的にやりますということと、スピーディーに配る。

減税、消費税減税って時間かかりますから、1年ぐらいかかるんですから。迅速にお手元に届くようにすると。

そして、医療、年金、介護、少子化対策、この消費税に手をつけてどうするんですか。これから先、団塊ジュニアの世代が高齢化していきます。800万人です。こういう方々に対して、きちんとした社会保障の財源を確保する。それは責任ある政府として当たり前のことです。

小川彩佳キャスター:
スピード感を考えたときに「給付」ということですか。

自民党 石破茂総裁:
だから、どちらもやります。1つしかないということではありません。

共産党 田村智子委員長:
でも、消費税の減税はやらないんですよね。

自民党 石破茂総裁:
だから社会保障の財源はどこに見出すんですかということです。

共産党 田村智子委員長:
財源提案もやっています。

日本維新の会 吉村洋文代表:
自民党はよく「消費税を下げるのには社会保障の財源が必要だ」と言って、やらないということを言います。

でもよく考えたら、社会保障が増えるのは間違いないです。放っておけば社会保険料はどんどん上がっていきます。今の負担も大きいです。

でも、社会保障そのものの財源というんだから、社会保障そのものの歳出改革、つまり支出を減らすっていうことをやらないと、これからさらにもっと増税しなければならないということになります。

自民党が触れないのは、社会保障の財源というんだけど、社会保障の支出を減らすかっていうとこはやらないっていうことになりますから、僕はそれは違うんだろうと思います。

自民党 石破茂総裁:
だから病床数の削減で合意をしたわけじゃないですか。

これから先、OTCをどうするんだということですよね。そういうことを一つひとつやっていくのであって、維新と社会保険料の引き下げも合意をした。多くの方々の同意を得るために、われわれは真摯な話し合いをしていくということです。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩氏:
吉村代表にお伺いしたいと思います。

医療費を削減するということは、全体の総論としては結構ですが、例えば、今、処方箋をもらって3割負担や1割負担で湿布薬を買える、安いですよね。

それを全額一般の薬局で買えば負担は大きくなりますよね。そうすると、高齢者や低所得の人に対してかなり負担が伴います。痛みも伴います。それでもやる必要があるということですか。

日本維新の会 吉村洋文代表:
例えば、慢性疾患をお持ちとか、ご持病をお持ちの方は例外にするべきだと思います。

確かにクリニックに行って窓口に行くと、1割(負担)で大量の湿布をもらえたりもします。でも、これは9割をわれわれが負担してるんです。若い人たちが社会保険料で負担している。社会保険料というのはかなり今、高額になっています。さっき言った通り、30%ですよ。

そう考えたときに、このままだと持たないですよね。本当に医療が必要な人に医療を届ける。そして、医療の給付の中でも、ここは必要ないんじゃないかというところはきちんと、精査をしてやらないと、どんどん増えてきます。

僕が子どもの時は10兆円台の医療費でしたが、今は47兆円です。そして2040年には80兆円になります。右肩上がりに、何もしなければ増えていきます。この負担、誰が負うんですかということを考えたときに、次世代に無責任な政治はやりたくないということです。

公明党 斉藤鉄夫代表:
確かに医療・年金・介護の改革は必要だと思います。しかし、構造を調べてみれば、これから社会保障にお金がかかっていくというのは、これはもう必然です。

例えば、この間の国会で高額療養費制度が話題になりました。この高額療養費制度についてはもう一度きちんと見直そう、議論をしようということになりましたが、この高額療養費制度を維持していくためにも、これから社会保障の財源は必要です。

12年前の野田総理の時代に、社会保障と税の一体改革で、これから増えていく社会保障、私達が安心していくために、年金・医療・介護・子育てについてはしっかり財源を確保しようということで行った一体改革の精神は忘れてはならないと思います。

ですから、一時的な物価対策のために消費税の税率を上げたり下げたりするというのは、私は間違っていると。

藤森祥平キャスター:
公明党としては、石破総裁と一緒に食料品の恒久的な消費税減税をやりたいという思いがあったんじゃないですか。

公明党 斉藤鉄夫代表:
社会保障と税の一体改革という考え方のもとで、社会保障を支える消費税はしっかり大事にしなきゃいけない。

しかし、その消費税の中の構造、例えば、消費税率10%というは、先進国の中で最も低い税率ですが、食料品の8%というのは最も高い部類になります。ですので、「社会保障を支える財源としての消費税」という考え方は堅持しながら、あるべき消費税、食料品の税率をわれわれは13年前から「5%が適当だ」ということを言ってきましたし、それは今も変えてはおりません。いずれはそういうものを目指したいと思っておりますし、財源があれば今にでも実現したいと思っております。

社会保障を支える消費税、これは大切だと主張しておきたいと思います。

国民民主党 玉木雄一郎代表:
石破総理、減税すると時間がかかるとおっしゃったんですが、今考えている2万円の現金給付はいつ配れるんですか。早くても年末じゃないですか。全然、速くないんですよ。それだったらわれわれが行っている所得税の控除額を引き上げて、年末調整や来年2月の確定申告のときに戻した方が早いんじゃないですか。2万円はいつお配りになるんですか。

自民党 石破茂総裁:
年内ということを想定はしています。確定的なことは言えません。

ですが、私たちは「スピード」と「重点化」ということを言っているんです。低所得のご家庭、あるいは食べ盛りのお子さんがいらっしゃるご家庭。

私たちが重視しているのは、早く届くということと、もう1つは困っている人に重点的に配る。この2つを実現するのは、私は給付の方が早い。重点化もできるということを申し上げたい。

国民民主党 玉木雄一郎代表:
住民税非課税世帯の方に配るのは確かに必要なんですが、4分の3は高齢者の方ですね。

私は現役世代をしっかり支えるというメッセージを政治が出さないと、「働くことがバカらしい」「働き損」とか、そういうことを思わせないようにする。

やっぱり社会保障制度は、支える側の支える力を強くしないと、結果として年金も減るし、医療介護も細っていくので、逆説的に見えるかもしれませんが、高齢者を支えるためにも「現役世代をしっかり支えるんだ」というメッセージを国民民主党は出したいと思いますし、政府にもぜひそうやってもらいたいと思います。

藤森祥平キャスター:
今回の参院選に向けた社民党と日本保守党の公約です。

社民党 福島みずほ党首:
社民党党首・福島みずほです。「生活が大変」そんな声を本当に聞きます。だから社民党はまず、食料品について消費税ゼロ、大企業の内部留保に課税をします。そして、最低賃金1500円一律を実現します。

そして三つ目、まさにあなたの保険料を半分にします。会社と本人負担、1対1を大企業3対1、中小企業はそれができませんから、その補填をきちっとやります。

そして今、軍事費は8兆7000億円、なんと教育費はその半分、農業予算は4分の1です。農家を応援すべき、直接戸別所得補償制度をやって農家を応援し、食料自給率を38%から50%に引き上げます。

ミサイルよりコメを、ミサイルより暮らしを、ミサイルより平和を。社民党頑張ります。

日本保守党 百田尚樹代表:
まずは消費税減税です。特に食品の消費税8%、これを直ちにゼロにする、そして恒久的に。食品というのは生きていくために絶対に必要なものなんです。その生きていくのに絶対に必要なものに、税金をかけるというのは、これ言い換えれば生存税なんですね。こんなバカな税金は直ちにゼロにしたい。

そして私達がもう一つ重要だと思っているのは移民問題です。今、日本は野放図な移民政策によって、年間30万人から40万人の移民がどんどん増えています。

それによって例えば北関東の多くの町で、治安の悪化、文化の軋轢、そして住民とのさまざまな衝突、こういう問題が起きてます。日本はこのまま放置すると、第2のヨーロッパのように、日本社会全体が壊れていきます。私達はこの間違った移民政策の野放図な移民政策に待ったをかけて、そして抑制して、これを大きく見直したい。

小川彩佳キャスター:
ここで、お時間となりました。参院選の投開票は7月20日です。

これまでの選挙では、公示後・告示後に十分に情報をお伝えできていなかった部分もあると思います。投票日直前まで精一杯お伝えしていきたいです。

藤森祥平キャスター:
今回は主に大きく3つのテーマでお伝えしましたが、選択的夫婦別姓や政治と金の問題、経済対策の具体的な財源などまだまだ迫っていくテーマがあります。

投票日の直前まで、「選挙の日、そのまえに」と題して積極的にお伝えしてまいります。