日本企業の“米ドル建て”社債

さらに、井出さんが“もう少し分が良い”と話すのが「社債」だ。

日本の企業が発行している「米ドル建債券」で、例えば【本田技研工業】
▼利回り(税引き前):4.73%
▼残存(満期までの残り期間):約6年6か月
▼損益分岐点為替:109円91銭
※井出真吾氏作成(6月4日時点)

『ニッセイ基礎研究所』井出真吾さん:
「アメリカ国債10年物で利回り年4.3%前後なので、6年ちょっとと期間が短いのに利回りが高い。1ドル109円90銭を割ると損しちゃうけども、そこまでの円高を今の時点で心配する人はあまり多くないと思う。さらに、もっと短い期間で利回りが4%以上のものもある」

【三井住友フィナンシャルグループ】6月4日時点
▼利回り(税引き前):4.12%
▼残存:約1年4か月
▼損益分岐点為替:136円45銭

井出さん:
「税金2割を引くと実質利回りは3%少しぐらいだが、1年ちょっとで3%ちょいの利回りが確保できる。あとは三井住友フィナンシャルグループがデフォルトするかしないか。日本の企業だから皆さん何となくイメージが湧きやすいと思う。絶対にデフォルトしないとは言えないが、1年4ヶ月で三井住友フィナンシャルがデフォルトしそうだからやめておこうという発想にはあまりならないと思う」

ただ、残存が長期になると何があるかわからないので、より利回りは高くなる。

【三菱UFJフィナンシャルグループ】6月4日時点
▼利回り(税引き前):5.10%
▼残存:約14年1か月
▼損益分岐点為替:82円12銭

井出さん:
「自分の運用したい期間やどのぐらいのリスクを取りたいかなどで選べば良い。あと【どこで買えるのか】というと基本的には証券会社だが、行けば必ず買えるものでもない。正直、流通量は決して多くはなく、その証券会社に在庫がないと買えない。だから急げと煽るつもりは全くないが、必ず買えるわけではない点は注意」