バンカーバスター攻撃は実際はイスラエルへの「ブレーキ」か
難しい舵取りが求められる中でトランプ大統領は、イランの核施設に、地中深くまで攻撃する大型地中貫通弾「バンカーバスター」を14発も打ちました。本格的な“イラン潰し”かと思いきや、イランは報復として、カタールにある米軍基地に同じ14発のミサイル攻撃を実施しました。ただ、砲撃場所には実質ダメージが少ない場所を選び、事前通告をしたうえでの攻撃だったということです。
池滝氏はアメリカの意図をこう分析します。
核施設へのバンカーバスター攻撃により、イスラエルに対しては「イランから攻撃があってもアメリカがイランの核施設を攻撃できるから脅威ではない」とアピールすることができます。
バンカーバスターは地下60mぐらいまで攻撃できると言われていますが、核施設は地下80mほどの場所にあると言われているため、実際には破壊できていない可能性があります。トランプ大統領は攻撃後「完全に破壊した」と発表していますが、実際はアピールの側面が強い発言だったのではないかというのが、池滝氏の見立てです。
また、トランプ大統領はイスラエルのイラン指導者を暗殺する計画を断ったとされています。イラン政権を転覆する意図はないとの見方ができます。
こうしたことから池滝氏は、米軍によるイラン核施設への攻撃は、むしろイスラエルへの「ブレーキ」を意味していたのではないかという見解です。