死者が相次ぐ危険な暑さが続く中、観光客の熱中症をいかに防ぐか。空と地上から見守る「砂丘レンジャー」を取材しました。

きょう(6月20日)も真夏のような暑さとなり、最高気温が35℃以上の猛暑日となったのは全国29地点。最も暑かったのは、兵庫県豊岡市で37.1℃でした。

「もう暑くて暑くて死にそうです」

記者
「こちら京都市の小学校です。気分不良で児童7名が救急搬送されたということです」

35.8℃を観測した京都市。南区の小学校では、3年生の児童が体育の授業中、体育館でシャトルランをしていたところ、7人が気分が悪いと訴え、熱中症の疑いで病院に搬送されました。

都内ではきょう、24人が熱中症の疑いで救急搬送されました。

36.5℃まで気温が上昇した鳥取市にあるのが、国内有数の観光地・鳥取砂丘。

記者
「午前10時50分すぎの鳥取砂丘です。手元の温度計では38.1℃を示しています」

愛媛から来た人
「梅雨だと思ってきたが、夏ですね」
兵庫から来た人(20代)
「(Q.熱中症対策してる?)してません。きょうはしてないです。ドリンクも持ってないし、もう終わりました」

真夏の砂の温度が50℃を超える中、観光客の熱中症ゼロへ活動しているのが「砂丘レンジャー」です。

今年4月に加入した山上明徳さん(53)。広大な砂丘を歩いて回り、体調不良者がいないかを確認します。

砂丘レンジャー 山上明徳さん
「きつい方よりゆるい方で。ゆっくりというか、ぜひ1回休んで頂いて」
観光客
「下りは楽でしたけど、上りは(きつい)」

灼熱の砂の上、そして、50メートルほどの急勾配を歩き続けるため…

砂丘レンジャー 山上明徳さん
「熱中症心配だなって見ていますけど…ハァハァハァ」

山上さんも息切れするほど過酷です。

砂丘レンジャーの熱中症対策も強化されました。

今月から職場での熱中症対策が義務化されたことを受け、1時間だった休憩時間は2時間半に延ばしたといい、冷却グッズも増やすといいます。

砂丘の上空へ向かうドローン。

ドローン
「体調は大丈夫ですか。大丈夫なら手を振ってください」

観光客の異変をいち早く察知するだけでなく、砂丘レンジャーの負担が軽減したといいます。

とはいえ、救護活動を行うのはレンジャーの任務。暑さとの戦いは始まったばかりです。

砂丘レンジャー 山上明徳さん
「ぜひいい思い出で帰っていただきたいので、倒れてしまう前に声を掛けられたらいいなと」