野田代表の思惑は? 立憲民主党内の鎮静化も図りつつ…

井上貴博キャスター:
「不信任案を出さない野党なんて腰砕けだ」という一辺倒の報道は、個人的には古いと感じています。政治空白を作らない、国益を考えた判断とは、ある種こういうことなのかなという気はしますが…。

TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
日米の関税交渉が続いている、それから中東情勢も緊迫しているときに政治空白を作るべきではないというのが野田さんの説明です。

そのなかで、自身が総理大臣経験者であることをわざわざ自分で言って協調していたのは、特に中東情勢に関しては「日本はアメリカとも話せるし、イラン、イスラエルともこれまで関係が築けている。今こそ日本がしっかりしなければいけない」ということです。

また、現地にいる日本人の退避についても、これからやらなければいけないかもしれない。とにかく、そういったなかで政治空白を作るべきではないということが野田さんの最大の説明でした。

出水麻衣キャスター:
なぜこの時期の表明となったのでしょうか?

TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
立憲民主党の中では(不信任案を)出すべきだという意見も結構出ていたわけですが、時間を置かずにあえて早く結論を出す、これでやるという説明をしたかったということなのでしょう。

でも野田さん自身は、この前の衆議院選挙で少数与党に追い込めたので、今度の参議院選挙でも過半数割れに与党を追い込む。その次の解散、衆議院選挙で政権を取る。そこはぶれていないということを強調しています。

今回、不信任案を出すべきだという党内の人たちに対してそういうメッセージを送り、沈静化もあわせて図っているという状況です。

井上キャスター:
国益を考えて、進めるところは進めるけれども、やはり対立して争っていかなければいけないところはある。そのバランスというのは、今後も腐心していくのだと思います。

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<プロフィール>
岩田夏弥
TBS報道局 政治部長 元官邸キャップ
小渕総理以来、主に政治取材を担当