2019年の台風で実現した「近隣住民の助け合い」
さて、高層マンションというと、一見、昔ながらの温かい近所づきあいとは遠いイメージがありますが「こんないい話もあるよ」と、松尾さんが実際にあったエピソードを教えてくれました。2019年の台風災害の際の話です。

一般社団法人 武蔵小杉エリアマネジメント代表理事 松尾寛さん
「2019年に1棟が水没した時にですね、このへん水で溢れたわけですよ。で、水が引いたんですけれど泥んこになったわけです。その時に『俺たちでやろうよ』と100人くらい集まったかな、あの時ね。マンションの前をダーっと全部掃除したんです。だから私はあれを見て本当に思ったんですけれど、災害がでても助け合いますよ。大丈夫ですよ。マンションの人だから助け合えないっていう人もいるかもしれないけれど、皆助け合いますよという自信ができましたね」

この時はマンション住民が中心となって、区内の一戸建ての多い別のエリアの泥掃除もしに行って皆で泥を運び出したそうです。新しい地域防災の組織が、マンション住民と地域の絆となり、これからも災害時に困っている人を皆で助け合えるような、安心して暮らせる街になることを願います。
(TBSラジオ「人権TODAY」担当・TBSラジオキャスター 加藤奈央)