■岡山でも実験 イノシシには「いのドン」 シカには「鹿ソニック」


装置を使った実証実験は、地元岡山でも行われています。
10月27日、岡山県和気町の「和気美しい森」に1台を設置しました。


この場所に出没するのはクマではなく、イノシシやシカ…くまドンと同じ機能を持つ装置は、本州では「いのドン」として農作物被害などへの対策に期待が寄せられています。


(「いのドン」の音)


(和気町産業振興課 平尾拓也さん)
「人間が聞いてもあまりいい音ではないような、身の危険を動物だったら感じるような音なのかなって」


さらにシカへの対策として設置したのは、低い音よりも、シカが嫌がりやすいという高い音を出す「鹿ソニック」。


夜間の衝突事故に悩まされていた鳥取県の鉄道では、この「鹿ソニック」の設置により事故が劇的に減りました。

(「鹿ソニック」の音)


子どもたちの安全を守る一助にと、辻󠄀教授はこの「鹿ソニック」を和気町のスクールバスにも試験的に設置して、シカの反応を見ることにしました。


(和気町危機管理室 河野憲一室長)
「走ってきて、急に方向を変えたりしますので、研究に合わせてちょっと対策を考える1つかなと思っています」


農作物の生産者や自治体が期待を寄せる新たな対策です。

(岡山理科大学 辻󠄀維周教授)
「『くまドン』で『ここから先は人間世界なんだ』と、野生生物と人間の境界線を明確にしていきたい。人間も動物も不要な接触を避け、お互いが住みやすい環境になればと」


実験は実用化を見据え進んでいます。