「大量の電力確保」も必要
さらに、もう一つの課題が【大量の電力消費】だ。
東京大学 江崎教授:
「AIはたくさんの情報をたくさん計算をしていろんな知識を蓄えるわけだが、計算する量が非常に大きいので大量の電力を消費せざるを得ない。データセンターとしては、“電力の確保”が非常に重要なかつ難しい問題になってくる」
印⻄市の場合は、新たな変電所と大量送電が可能な巨大トンネルが建設され電力網を整備してきたが、他でも新しい取り組みが進み始めている。

「コンテナ型」で土地・電力2つの課題を解消
新潟県湯沢町のとある土地にズラリとならんだコンテナ。
中はシンプルな作りの部屋のようになっていて、センターには箱型の大きな機械が。

『NTTデータ』テクノロジーコンサルティング事業部・大久保康基統括部⻑:
「コンテナの中に電力設備とシステムに必要なサーバーやストレージ(記憶装置)などを搭載して、このデータセンター内で全てを完結する形で設計する予定。データセンターを提供するスペースが枯渇してきていて、より喫緊の需要に応えるためには、すぐ提供できるものが必要ということでコンテナ型データセンターに目をつけた」

『NTTデータ』と『ゲットワークス』が共同で開発しているのが「コンテナ型データセンター」。【土地】と【電力】2つの課題解決を目指しているという。
コンテナは⻑さ約6メートル×幅2.4メートル×高さ2.6メートルなので移動もでき、“広い場所でなくても設置が可能”。
さらに太陽光や風力などの再生可能エネルギーの発電所に併設することで、クリーンな電力を地産地消で利用できる特徴もある。
大久保統括部⻑:
「発電されているそばでその電力を使うのが一番効率が良く、さらに早く使える」
また、【電力の消費が大きい】という課題については“サーバーの冷却方法”を変えることで対応できるとのこと。
これまでは空気をサーバールームに送り込み冷やす「空冷冷却」が一般的だったが、今回のコンテナ型データセンターでは、水を使った「液冷冷却」を導入。
冷却水を流したプレートをCPU(中央処理装置)や、GPU(画像処理装置)に密着させ熱を取り除く方法で、消費電力を抑えることができるという。

「コンテナ型データセンター」を製造しているゲットワークスの担当者は―。
『ゲットワークス』林 ⻯太朗事業統括部⻑:
「風で冷やすタイプのサーバーにはたくさんのファンがついているが、実はサーバーの消費電力はかなりの割合でファンが使っている。そのファン自体が少なくなるので、サーバーにかかる消費電力が下がる」