「今後のコメ価格」カギを握るコメ農家の“経営判断”
コメ農家の西野さんの話に「主食米以外の作物を作れば国から交付金が支払われる」とありましたが、これは「水田活用の直接支払交付金」と呼ばれるものです。コメ農家は、自身が保有する水田で主食米以外の作物、具体的には麦・大豆・もち米あるいは家畜のエサなどを作ることで、その作付け面積に応じて国から補助金がもらえます。西野さんは、これらに備蓄米の水田を加えた土地で、「主食米以外の作物」を作っていました。

この減反分が国による「生産調整」にあたり、“事実上の減反政策”という指摘があります。そのため、ほとんどの農家が減反分の水田をすぐさま主食米に転換できるわけではありません。しかし今回取材した西野さんのように、農家が生産する作物の種類を自身の「経営判断」でより自由に選べるように変われば、市場に出回る流通量が増え、結果的にコメの価格低下につながるかもしれません。