随意契約の「政府備蓄米」について、石川県内で見られた“令和の米騒動”を取材しました。コメの価格を抑える救世主となるのでしょうか。

店の前にできた長蛇の列の先には「備蓄米、入荷しました!」の文字。6月10日、県内で最初に販売を始めたのは、ドラックストア・クスリのアオキでした。


備蓄米を買い求める主な理由はやはり、各家庭の懐事情です。
「コメ代がすごく高いから。石川県、遅かった」
「できれば今まで買っていたお米も、これくらいになってくれたらうれしいけど」(買い物客)

クスリのアオキに続き、備蓄米を県内最安の価格で販売を始めたのは「ラ・ムー」でした。

インパクトのある「5キロ2000円」…35袋完売までわずか1分

大黒天物産 森安真人 バイヤー
「随意契約、5キロ2000円というかなりインパクトのあるニュースが流れて。ディスカウントストアとして商品を安くお客様に提供するのは我々の使命だと思い、手をあげました」

ラ・ムーを運営する岡山県の大黒天物産は、2022年度産の備蓄米、いわゆる「古古米」を随意契約で政府から1000トン購入しました。

入荷した備蓄米はすぐさま工場で精米され、石川県内の店舗には今月13日に到着。販売価格は、5キロあたり税込み1980円です。


午前6時前、野々市市のラ・ムー野々市北店に届いた備蓄米は125袋。24時間営業のラ・ムーでは、混乱を避けるため販売時間を事前に告知せず、備蓄米が入荷次第、すぐさま店頭に並べます。

ラ・ムー野々市北店 青山周平 店長
「まずは90袋。お客さん待たれているので買ってもらえるかと思います」

早速、並べられたばかりの備蓄米を手に取った男性は。
「ここは24時間営業なので、じっくりここで待てばいいと思って3時間待ちを覚悟してきた。早速食べます」

一方、ふだん食べ慣れている県産米の値下がりを期待する声も。
「今5キロ4000円位じゃないですか。3000円位になってほしいですね」(買い物客の男性)

その後も、備蓄米は順調に売れ続け…特に事前の告知もなく、入荷次第すぐに店頭に並べられた備蓄米でしたが、2時間あまりで完売となりました。

その後も続々と備蓄米を求める客が売り場に集まります。


この状況をうけ、バックヤードに保管されていた残る35袋が店頭に並べられました。すると…大勢の買い物客が集まり、わずか1分ほどで、最後の1つに。
「最後ですか?」Q最後かと…「やった!」

ラ・ムー野々市北店 青山周平 店長
「お客さんが来られるという予測はしていたがここまで需要が高まっているのは備蓄米への関心が高いのかなと。今後(入荷が)どうなるかもわからないのでお客様にご迷惑かけないように提供できれば」

「随意契約」の備蓄米を巡る盛り上がりの裏で、今年4月下旬から流通している「競争入札」の備蓄米をめぐっては、こんな問題も…。