東海地方では、14日夜から15日朝にかけて大気の状態が非常に不安定となり、激しい雨や非常に激しい雨が降る見込みです。気象庁は土砂災害や浸水、河川の増水に対する注意・警戒を呼びかけています。
前線に向かって暖かく湿った空気が流入 - 不安定な大気状態が形成
梅雨前線が黄海から西日本、日本の南を通って東へと伸びている状況です。14日夜までに前線上の日本海西部に低気圧が発生し、15日にかけて日本海を東北東へ進む見込みとなっています。この低気圧や前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込むため、東海地方では大気の状態が不安定となります。
衛星画像 14日午前9時 気象庁
特に注意が必要なのは14日夜のはじめ頃から15日朝にかけての時間帯です。この期間中、雷を伴った激しい雨や非常に激しい雨が降り、局地的に大雨となる可能性があります。雨雲が予想以上に発達したり停滞したりした場合には、警報級の大雨となる恐れもあるため、最新の気象情報に注意が必要です。
予想天気図 14日午後9時 気象庁
県別の降水予測 - 岐阜・静岡で最大50ミリの激しい雨
東海地方の各県では、次のような降水量が予想されています。14日の1時間降水量は、愛知県で30ミリ、岐阜県で30ミリ、三重県で40ミリ、静岡県で30ミリと予測されています。
15日になると雨はさらに強まり、1時間降水量は愛知県で40ミリ、岐阜県で50ミリ、三重県で40ミリ、静岡県で50ミリに達する見込みです。これは「激しい雨」から「非常に激しい雨」のレベルとなり、短時間でも道路が冠水したり、小規模な土砂崩れが発生したりする可能性があります。
特に注目すべきは24時間降水量です。14日6時から15日6時までの間に、愛知県で120ミリ、岐阜県で150ミリ、三重県で120ミリ、静岡県で150ミリの雨が予想されています。これだけの雨量が短期間に集中すると、地盤の緩みや河川の急な増水を引き起こす危険性が高まります。
警戒すべき災害リスク - 土砂災害、浸水、河川増水に注意
このような大雨の際に最も警戒すべきは土砂災害です。特に山間部や傾斜地では、地盤が雨水を含んで緩み、土砂崩れや地滑りが発生しやすくなります。過去に土砂災害が発生した場所や、土砂災害警戒区域に指定されている地域にお住まいの方は特に注意が必要です。
低地や排水の悪い地域では、短時間の強い雨によって道路の冠水や住宅の床下・床上浸水のリスクが高まります。アンダーパスや地下施設では、急激に水位が上昇する可能性があるため、大雨の際には近づかないようにしましょう。
また、中小河川では短時間で水位が上昇し、氾濫の危険性が高まります。普段は穏やかな小さな川でも、上流で強い雨が降れば突然増水することがあります。河川敷や川の近くでのレジャーは控え、河川の状況には十分注意してください。
さらに、雷を伴った激しい雨の際には、落雷、突風、降ひょうにも注意が必要です。屋外での活動は極力控え、安全な場所で雨が弱まるのを待ちましょう。