初夏の訪れとともに増える昆虫。見覚えのない昆虫を発見したら、それは日本でまだ見ぬ外来種かもしれません。近年、日本国内で増殖中なのが、大陸から侵入してきたとみられる「シタベニハゴロモ」です。毒々しいド派手な外観。害はあるのか、ないのか。専門家に聞いてみました。
NYでも大量発生
真っ赤な目に、水玉模様の毒々しい羽根-。石川県ふれあい昆虫館の学芸員・斉木亮太さんによりますと、5月に幼虫が現れはじめ、7月から10月にかけて成虫が大繁殖します。実害はあるのでしょうか。
「見た目は奇妙ですが、人を刺したり、かんだりすることはありません。ただ、ネバっとした糖度の高いおしっこが植物に害を与えます。植物に降りかかると、光合成ができず生育が遅れてしまう“スス病”を引き起こします」
この昆虫は、過去に、アメリカ・ニューヨークなどで大量発生したことがあり、現地ではブドウをはじめとする農産物への被害が懸念されているそうです。