【論点③】もし給付するなら『所得制限』vs『一律』どちらが妥当?

与党が給付案に傾く中で、2人の専門家に「仮に給付の場合、具体的な給付方法や対象は?」と聞くと、これまた異なる回答を得ました。焦点となるのは、給付対象に所得制限を設けるか、それとも一律で全員に給付するかという点です。

給付派の木内氏は「所得制限すべき」と主張します。理由として、集めた税金をそのまま全員に分配するのでは、政策としての価値が薄く、国が持つべき再配分の機能が果たされないと指摘。そのため住民税非課税世帯などに限定して給付することで、効果的な支援が可能になるとの考えです。

一方、減税派の永濱氏は、もし給付策であれば「一律で全員に給付すべき」という立場です。住民税非課税世帯(サラリーマンの給与収入で年収約200万円以下が目安)を基準にすると、それよりわずか収入が多いだけで生活に困窮している人々が支援の対象から漏れてしまう可能性を指摘。さらに、金融資産をもつ住民税非課税世帯があるとも指摘し、必ずしも支援を必要としない人に給付されてしまう不公平が生じかねないと警鐘を鳴らしています。

専門家が共通して指摘した「日本経済の根本課題」

しかしそうした中で、意見の異なる専門家2人が共通して指摘していることがありました、それは日本経済の根本的な課題で「成長戦略がない」ということであり、現在の日本経済が成長していないことこそが問題で、これに対する取り組みが必要だという点では一致していました。

番組が「給付や減税は、投票先に影響しますか?」と街で50人に聞くと、影響すると答えたのが39人・影響しないが11人で、全体の78%が影響すると回答しています。大事なテーマだけに、引き続きその内容をしっかり見極める必要があります。