【論点②】日本の借金は大丈夫か…インフレ下の財政に対する見解も異なる
国の財政についてみていきましょう。「減税派」の永濱氏は、今後インフレが続く状況の下では日本の借金はそれほど問題にならないとの見方を示しています。山中アナウンサーは、ざっくりしたイメージとして、国の歳入が100万円で借金が100万円あった場合は借金比率は100%の中、仮に物価が2倍になれば歳入が200万円となり、借金比率は半分の50%になると、図を用いて説明しました。

日本の借金はGDPの2倍超といわれるが、どこまで増えていいのか?と永濱氏に聞いたところ、アメリカの論文では、現在のさらに倍、GDP比446%程度まで増加しても問題ないという試算もあるとの説明でした。「しかしデフレになったら問題では?」と永濱氏に伺うと、「デフレは基本的に人手が余っているときに起きる。人手不足が今後も続くと予想され、人手不足の中でデフレになることは考えにくい」としています。
これに対し、「給付派」は慎重な見解を示しました。木内氏は、「インフレになれば、同時に使うお金も増えていきます。例えば、公共事業を行う際の費用も物価上昇分だけ高くなるため、単純に借金の返済が楽になると考えるのは危険ではないか」と反論しています。インフレ下における日本の財政状況の見立ても、専門家により見解が異なりました。
木内氏は、「今の経済状況はそこまで悪くなく、恒久的措置は必要ない」との考えです。いっぽう永濱氏は「日本の食料品にかかる税率(8%)は、G7諸国の中で最も高い。また、家計収入に占める食費の割合【エンゲル係数】も、日本は28%でG7の中で最も高い」としています。