鹿児島女子高校陸上部2年・楠田ゆうな選手は現在、400mハードルで高校全国ランキング2位のタイムを持っていますが、これまでハードルの指導は受けたことがないそうです。そんな彼女の強さの理由を探りました。

阿久根市出身の楠田ゆうな選手。先月の鹿児島県高校総体で、ハードル2種目とリレーの4冠を果たしました。

黙々とストレッチに取り組む姿は、自らの体と対話しているようです。

(鹿児島女子高校陸上部・大坪緑監督)「常に陸上のためにどうすればいいかを考えて1日を過ごしている」

フォームを作る基本練習に、多くの時間をかけています。

(楠田ゆうな選手)「練習中もマネージャーに自分の走りを動画で撮ってもらって、自分の走りを確認している」

真剣な表情で練習に取り組む一方、時折見せる無邪気な笑顔に同じ陸上部の仲間は…

(2年・東丸杏奈選手)「普段は意外とおちゃらけて…陸上はめっちゃ真面目。練習のメモをしている」

(楠田ゆうな選手)「その日の自分の体調やコンディションで、このタイムが出た。後で振り返ったときにも分かるし、ここが良かったから、このタイムにつながったと分かる」

小中学生のころから短距離種目で県の記録を更新し、中学3年の時には100mハードルで、かごしま国体3位入賞。

高校に入ってからも短距離種目に打ち込んできましたが、今年の冬、左の太ももをけが。スピードが出せない時期が続く中、より距離の長い400mハードルに初挑戦することにしました。

(楠田ゆうな選手)「本格的に(ハードルを)教わったことはないが、小学生から基礎的な動きはやってきたので、それが今のハードリングにつながっている」

(大坪緑監督)「感覚的なものがすごくある。自分の体がどうなっていて、どうすれば走りの体制に移れるか分かっている」

初レースで全国ランキング2位の記録を出すと、先月の県高校総体ではダイナミックなフォームで駆け抜け、大会新記録をマークしました。

(大坪緑監督)「信じられなくて。1分切って初めてのレースで走った。驚きでしかない」

(楠田ゆうな選手)「全国1位をずっと目指していて、まだ一度も達成したことがないので叶えたいが、今年はあくまで挑戦。何も気負わずに、自分のできるところまで楽しみながらやるのが目標」

恵まれた感性にくわえ、自分の体と向き合い、無駄のないフォームを手にした楠田選手。インターハイをかけた南九州大会は、熊本で今月13日から始まり、400mハードルは14日に行われます。