片手で書かれた伝言

映像を確認すると、男性は「左手」だけを使って伝言を書いています。
片腕が不自由だったという田邉高繁さんの特徴と一致します。

田邉文具店長男・田邉高明さん:
「(手が不自由だったから)軍隊は行ってないとちらっと言った事ある。あまり(原爆のことは)語らん親父やったね。私もあんまり聞いてない」

長男の妻・田邉勝代さん:
「店がダメになったから色々人を探していたかもしれないね」

文具店を営んでいた田邉家は当時市外に疎開していて、店を守っていた高繁さんだけが被爆したと、子どもたちは父・高繁さんから聞いていました。しかし父親は原爆のことを、それ以上は語らなかったと言います。