長野市で小学生の男の子が通学中に駅でホームから落ちそうになり列車とのすき間にはさまりました。とっさの判断で助けたのは高校生2人。その後、名前を告げずに現場から離れた高校生と男の子はSNSでつながり、再会を果たしました。

小学2年生の北澤郷(きたざわ・ごう)くん。
長野市の長野電鉄・本郷駅から毎朝、小学校まで通っています。
先月12日、いつものように見送りにきた弟と別れて列車に乗ろうとした時でした。
郷くん:「バランス崩して落ちちゃった」
母・詠子さん:「祖父が一緒に送りに来ていて、(弟と)バイバイをしてタッチをしようと思ったらバランスを崩して乗ろうとした瞬間に、隙間に落ちちゃった」

郷くんは、列車とホームの隙間にはさまってしまいました。
背負っていたランドセルがホームに引っかかり、下に落ちずにすみましたが…。
郷くん:「(どのくらいまで落ちちゃったの?)このくらい(お腹のあたり)まで」

ホームと列車の間には隙間と段差があり、はさまれた郷くんは身動きがとれなかったといいます。
郷くん:「もう上がれないのかなって思った」
それを見た高校生などが郷くんを引き上げ、助けてくれたといいます。
次の日、郷くんは母の詠子さんとお礼を伝えるために駅を訪れますが・・・
母・詠子さん「かっこいいお兄さんに助けてもらったというのは聞いたんですけど、たくさんいて、一人ひとりに声をかけるわけにはいかないので…」

詠子(うたこ)さんは、SNSのThreads(スレッズ)にその日の様子や画像などを投稿。
「拡散希望・息子が高校生らしきお兄さんに助けていただいたそうです!」
瞬く間に「いいね」やコメントが増えていき、最終的に「いいね」は2400件余り、130件を超える利用者が拡散してくれました。
そして…

「あの時本郷駅にいた高校生です!」
救助にあたった高校生とつながりました。

中野西高校に通う3年生の宮澤結哉さんと2年生の泉貴仁さん。

「この辺です、俺がこうやって上げてあげて」
2人は一緒に通学する途中で、その日は、駅への到着が遅れ、列車に乗るため急いでホームに来たところ、郷くんを発見しました。

宮澤結哉さん:「信じられない光景」
泉貴仁さん:「最初はすごくびっくり、そんなことあるんだって」
郷くんはホームと列車の間に挟まれている状態。周りにいた大人たちと協力し引き上げました。
2人は助けたあと、列車に乗って登校しました。
宮澤結哉さん:「毎日気になっていた。あの子は大丈夫だったかなと」
その後、SNSで自分たちを探している投稿に気が付き、発信していた郷くんの母に連絡を取りました。
宮澤結哉さん:「まさかここまで大ごとになるとは思っていなかったので、でもThreads(スレッズ)に投稿してくれて実際に会えたのはよかった」
北澤郷くん:「かっこいい、助けてっていう前に助けてくれた」
長野電鉄ではホームと列車の段差や隙間を少なくなるよう対策をとっていますが、線路の形などで対応が難しいところもあるとして、注意を呼びかけています。

そして、万が一、ホームから落ちてしまった場合は大きな声を出して知らせることが大切だと話します。
長野電鉄鉄道事業部・岡部公平さん:「周りの客にアピールして電車を止める、あるいは動かさないような手配をしてもらうことが重要」

とっさの行動で郷くんを救った高校生2人。
泉貴仁さん:「困っているなら、人として助けないとと思いました今回のことで」
母・詠子さん:「命に関わったことかもしれないので本当にありがたいです。ありがとうございます」

2人:「また会ったらいつでも朝 話しかけてね」