保護者の意識も、女子学生の進学に影響を及ぼしていた

「大学進学におけるジェンダーギャップ白書」はこうした調査に加えて、文部科学省の調査や、ベネッセコーポレーションと「#YourChoiceProject」が共同で行った保護者へのアンケート調査等も活用しています。

そうした中で、実は保護者の意識も、地方女子学生の現状に大きな影響を及ぼしていることがわかります。息子と娘では、親からの大学進学への期待が違ったり、娘の方が地元に残ることを望まれたりします。息子の進学塾にはお金を掛けても、娘だと「あなたにそれは必要ない」などと言われてしまったりすることもあるそうです。

31頁に及ぶ「大学進学におけるジェンダーギャップ白書」では、女子学生の進学に対し、様々な視点から“ジェンダーギャップ”が生じていることを詳らかにしています。受験と生理期間が重なることで特有の体調不良や精神的な負担が生じやすくなる問題や、全国35道府県が東京近郊に設置して、出身の学生に安価な住居を提供する「県人寮」に関しても、男子と女子では受け入れ状況に差がある現状なども提示しています。

この「大学進学におけるジェンダーギャップ白書」は2月の発表後、多くの自治体や教育機関などから問い合わせがあったということです。また「#YourChoiceProject」の側からは、各地の教育委員会などに送付しており、これまでは当事者しか認識しにくかった“ジェンダーギャップ”解消の政策を考えるためや、社会の意識を変えるための議論の土台にしてもらえればよいなと考えています。