ふるさと納税といえば、返礼品に肉や魚、野菜といった地域の特産物を用意するのが一般的。そんな中、美作市は返礼品に棚田の稲のオーナーになれるという権利を用意しました。耕作放棄される棚田を守りたい。背景にあったのは地域住民の強い願いです。

■かつては「日本一の棚田村」 8300枚の棚田があった

岡山県美作市 上山地区の棚田


起源は奈良時代とも言われています。美作市・上山地区の棚田。現在、ここには約60世帯が暮らしています。

(水柿 大地 さん)
「棚田米のおむすびですね。」
「おいしいです。自分たちの棚田を前にして、お米を食べれるっていうのは、すごい幸せな瞬間ですね。」

友人と食事を楽しんでいるのは、この地に残る棚田に惹かれ12年前、東京から移住してきた水柿大地さんです。移住して以来、ずっと気にかけてきたことがあるといいます。

水柿大地さん


(水柿 大地 さん)
「周りとか結構きれいになっているところもあるんですけど、ここだって元々は…棚田だった場所です。」
(記者)
「ここは元々棚田だった場所?こういう場所っていうのは(ほかにも)地域にあるんですか?」
(水柿 大地 さん)
「たくさんあります。昔最盛期でやっていた頃に比べたら、全然もう半分以上荒れている状態とか。」

かつては8300枚の棚田が緻密な模様を描き、「日本一の棚田村」とも呼ばれていました。

(地域住民)
「『空』という集落がある。田んぼがずーっとあるからな。」