公益通報について詳しい専門家は…

公益通報について詳しい淑徳大学の日野勝吾教授です。

今回の事件のポイントの1つが文書に含まれていた「被害女性の個人情報」が「職務で知り得た秘密」なのか「公益通報する上で必要な情報であったかどうか」だといいます。

(淑徳大学 日野勝吾教授)「内部告発や公益通報をする場合、対象となる事実を裏付ける必要があり、被害者の個人情報も重要ですし、尊重されなければならないが、それを上回る公益的な価値があるかどうか」
「個人情報を持ち出さないと、不正行為を明らかにできないなど、公益性の目的で出しているかをいかに裁判所が評価するか」

鹿児島県警では2014年から、警察官や職員の公益通報の窓口をつくり、その後、外部の窓口として県公安委員会と法律事務所も設置しています。

一方、本田被告は記者を選んだ理由について「個人情報なども適切に扱ってくれると思い記事にしてくれることで不祥事を明らかにしてもらえると思った」と主張しています。

(淑徳大学 日野勝吾教授)「(現職当時は)これまで通りの仕事ができなくなるかもしれないっていう懸念が少なからずあったと思う。県警内部の問題を内部での自浄作用にあまり期待せずに外部を通して社会的非難を惹起させ、法令違反などの不正をなくしていこうと思い立ったのではないかなと推測される」